VR(仮想現実)で注目したい「ビジュアル・コマース」という用途

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最近、私も注目していることもあってか、VR・AR関連の話題を耳にすることが多くなりました。ただ、会話の中で間違いなく出てくるのは「いや、あのヘッドセットは使わんでしょ」という言葉。

まあ、確かにごもっともではあるのですが。

しかしやはり重要なのはこの技術が世の中をどう変えるか、という部分なんですよね。確かにゲームは最もわかりやすく、またビジネス的にも成功を収めている分野ですのでおそらく大きなものを占めると思いますが、それ以外でももちろん用途は多く、個人的に注目しているものに「In-Store」というものがあります。

例えば、4月に1000万ドル調達しているMarxentというスタートアップは仮想空間を作るための開発プラットフォームで、ビジュアルコマースという新しいコンセプトを提案しています。このホームファシリティを販売している「LOWE’S」のHOLOROOMの取り組みが分かりやすいです。

ようは、店舗でお客さんがデカい家電とか家具とかを彼らのアプリでいろいろ組み合わせてサンプルを作り、それをOculusのヘッドセットつけて実際に空間を体験してもらおう、というわけですね。こういうソリューションには他にも結構あるようで、私が見かけたものでは「DIRTT」や「ICE 3D」のようなものもありました。

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ただ一方で、各店舗にこういう装置を置くのは負担が大きいという話も。

この「‘VR isn’t scalable’: Bursting the in-store digital tech bubble」っていうDigidayの記事では、ブランドが仮想空間でのビジネスに興味を持ち始めている一方で、あの筐体セットやコンテンツを各店舗に設置するにはコストがかかりすぎると指摘してます。

確かにヘッドセットは実際につけてみると分かりますが、アレだけじゃないんです。Samsung Gear VRのようなスマホを差し込むだけのものであればまだしも、Oculus RiftやHTCのVIVEのような端末だとワイヤーが気になったり、そもそも高性能のPCが必要でそれが「デン」と置いてあったり。

その他にもセンサーが必要なものもありますし、数をバラまくには現時点ではあまりあっていません。

ということで、結論的にはフラグシップ店にはHOLOROOMのような筐体があって、それ以外のところにはGoogleのCardboardのような簡易なものと、自分の持ってるスマホで360度動画コンテンツをダウンロードして体験する、ということになるのかもしれません。

いずれにしてもVRの「In-Store」用途は注目しています。

via Digiday, PSFK, VentureBeat

 

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