360度のVR映像で外科手術をリアルタイム見学ーーMedical Realitiesが目指す医療教育へのVR活用

by Chika Kietzmann Chika Kietzmann on 2016.4.23

Screenshot: Medical Realities
Screenshot: Medical Realities

<ピックアップ>Watch a real cancer surgery streamed live in virtual reality at 8AM ET

今月14日、イギリス時間午後1時、イギリスの 医療教育ツール開発 会社Medical Realitiesは、ロイヤル・ロンドン・ホスピタルで実施された大腸がん手術を全世界に向けて ストリーミング配信した。

執刀医は同社創業者の一人である外科医、Dr. Shafi Ahmad氏。医学生らを中心に多くの人が 無料スマホアプリ「VR in OR」をダウンロードし、Google Cardboard や Samsungの Gear VR などのヘッドセットを使ってリアルタイムで手術を見学した。

Medical Realitiesは主にバーチャルリアリティや拡張現実の技術を使った医療従事者の教育用ツールを開発している。 今回の撮影に使用した2台の360度カメラは、 Muse や Slashのコンサート動画などを手がける映像プロダクション Mativisionが提供した。

Mativisionによると、今回のVR映像配信の目的は外科手術の詳細を見せることではなく、視聴者にまるで手術室にいるかのような感覚を味わってもらうことだという。 今後ストリーミング配信する外科手術の映像にはクローズアップ画像や診断表示、体内画像などを付加し、より高度なVR体験を実現して行く予定だが、今回は初めての試みということで、視聴者にライブストリーミングとはどんなものかを知ってもらうため、敢えてシンプルな映像にした。

Medical Realitiesの創業者の一人、Steve Dann氏はars technicaのインタビューで、「現在はまだ実際の手術を撮影することしかできないが、 今後、臨場感に溢れたCGI環境を構築し、テクノロジーが追いつきしだい、触覚フィードバックも付加するつもりだ」と述べた。

同社はこれまでにも医療教育用の3D動画を製作しているが、VR技術を使ったより複雑な手術シミュレーターが完成すれば、医学生が実際の現場を見学せずに外科医に必要なスキルの多くを習得できるようになるかもしれない。

Ahmed 医師は、 VRテクノロジーを活用したツールは 最先端の医療機関で研修を受けることが困難な途上国において医療従事者の教育に特に役立つだろうと考えている。実際の手術の現場には様々なノイズがあり、 医療従事者は緊張状態の中、チームと協力して作業に当たらなければならない。外科的スキルだけでなく、そうした現場の状況を体感することも重要だと、同氏はarsに語っている。

Ahmed医師は2014年にもGoogle Glassを装着して74歳の患者から腫瘍を摘出する手術を行い、1万3000人の医学生にベテラン外科医の目を通して手術を体験する機会を与えた。

via The Verge

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