中国のスマートフォンメーカー Xiaomi(小米)は、インドのオンライン出版およびエンターテイメントコンテンツアグリゲータ企業、Hungama Digital Media Entertainment の2,500万米ドル規模の資金調達ラウンドに参加した。
これが Xiaomi にとって初めてのインド向け投資となり、その理由は誰の目にも明らかである。中国における国内競争が日々厳しさを増す中で、Xiaomi はインドを戦略的に重要だと位置付けており、持続的な成長を目指す考えだ。
この投資ラウンドには Hungama の既存の投資会社である Intel Capital、Bessemer Venture Partners の他に、トップの投資家でありインドの大富豪、Rakesh Jhunjhunwala 氏も参加している。今後、この投資グループはムンバイに拠点を置く Hungama の非公開株を少数取得する予定だ。
Hungama Digital Media Entertainment は、ボリウッドおよび南アジア地域におけるエンターテイメントコンテンツのアグリゲータ、デベロッパー、パブリッシャーであり、コンテンツ配信サービスも提供しているインドの大手企業である。Hungama によると、月間6,500万を超えるアクティブユーザが音楽、動画、映画サービスを利用するためにアクセスしているという。Hungama Play は今後、インドの複数言語と英語による1,500時間に及ぶテレビコンテンツを追加すると声明で発表した。
新たに調達した資金は、コンテンツの開発やモバイル端末向けの Hungama Music と Hungama Play における技術的サポートの向上に充てられる。
この提携によって、Xiaomi が手掛ける Mi プラットフォームに、テーマや着信音を含む Hungama のコンテンツサービスが統合されることになるだろう。Xiaomi の副社長である Hugo Barra 氏は次のように語っている。
当社はスマートフォンを、コンテンツを含むインターネットサービスを提供するプラットフォームであると考えています。インドにおける当社ユーザベースの拡大と4G の継続的な普及率の増加に伴い、当社は Xiaomi 製のデバイスを通じて、より多くのデジタルメディアが消費されることを期待しています。
Alibaba(阿里巴巴)や Tencent(騰訊)など中国のインターネット企業はコンテンツ市場の開拓に力を入れており、Xiaomi も例外ではない。Xiaomi は10億米ドルを投入して2014年にデジタルコンテンツ市場へ本格的に参入した。そのうちオンライン動画のプロバイダである iQiyi(愛奇芸)に3億米ドルを投資し、中国最大の動画ストリーミングサイト Youku Tudou(優酷土豆) の株式を購入している。
Xiaomi は2014年7月にインド市場に参入し、昨年から現地生産を開始している。インドで販売されている自社製スマートフォンの75%以上が同国で作られたものだ。
インドは世界第2位の人口を誇り、12億人以上もの人々を抱えているが、そのうちネットユーザは4億人、スマートフォンユーザは約2億2,000万人とインターネット普及率は比較的低い。中国市場が飽和状態になりつつある現在、インターネット関連のスタートアップ企業にとってインドは重要なエマージングマーケットであると広く認知されている。
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