期待される韓国の人工知能スタートアップ5選

by beSUCCESS beSUCCESS on 2016.5.6

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出典:Google DeepMind

人工知能代表 の AlphaGo が、人間代表のイ・セドル氏に勝つ

イ・セドル(李世乭/이세돌)九段のアルファとの対決が話題になった。対局中にはイ・セドル九段の勝利を予想した専門家たちも多かったが、結果は最初の3戦を相次いで勝った AlphaGo の勝利となった。

3月13日に行われた4局目のイ・セドル九段の勝利で雰囲気がやや好転したものの、予期せぬ AlphaGo の勝利に多くの人が当惑し、中には人工知能やコンピュータが支配する未来への不安を訴える人もいる。

果たして公正なゲームだったのか?

純粋に、人間的な観点から、今回のゲームをもう一度振り返ってみよう。AlphaGo とイ・セドル氏の勝負を分けた最大の違いは何だったのか。もし両方の「能力」が同じか、イ・セドル九段の能力が一枚上だったとしても、勝負で十分 AlphaGo が勝つことができるだろう。

1)経験の差: 人間には数ヶ月されていない短い時間だったが、毎日3万局を対戦する AlphaGo を一日平均3回対局するプロを比べてみると、AlphaGo の一日がプロの35.7年に相当する。AlphaGo は、人間の基準に比べれば、すでに千年前から「現在の中国式囲碁」を置いてきたことと変わらないのだ。秀才も千年ほどの努力を続ければ、30年ほど努力した天才に勝つことができる。

2)記憶力の差: 記憶力も人間と違いがある。AlphaGo は千年間にわたって置いた自分の棋譜をすべてを覚えている。この記憶力の差は、実際に囲碁を打つ状況でも差を発生させるが、次の一手を決める前の AlphaGo の計算は、人間の思考とは次元が違う。AlphaGo を人間の価値観で見れば、実際に碁を打ってみて、その中で最も合理的な選択をするのと同じである。表面上は、AlphaGo とイ・セドル氏との間の一局だけが見えているが、実際には「打ってみて試す」という演算を複数回した後に、次の一手を決めているのである。しかし、イ・セドル氏は一度しか打つことができない。

3)負担の違い: AlphaGo は、プログラムの一種であるだけに、心理的な動揺がない。しかし、イ・セドル九段の負担は相当なものだ。 対局の終わりが近づくほど、このような傾向はさらに目立ち現れる。プロ野球に例えるなら、まるで相手チームにソン・ドンヨルやリュ・ヒョンジン級の仕上げがあって7回前に勝たなければ、その試合はあきらめなければならないのと同じ状況である。イ・セドル九段は、人類の代表というプレッシャーを背負って勝負しなければならない。

技術の進歩とカルチャーショック

だが、実際に公正の問題は、「AlphaGo 事件」の本質ではない。 大衆としては遠い将来でも可能であると思われた突然の AlphaGo の勝利に、文化的な影響を感じたと期待する。 今までは「スマートフォンの登場」などと人間がメリットを得るだけだったテクノロジーが、将来、映画の「ターミネーター」のような暗い未来へと導くのはないかという恐怖が、その原因である。

しかし、AlphaGo のような人工知能は、人間の敵ではなく、人間の創造物である。最終的には、AlphaGo のような人工知能は、以下にに紹介するスタートアップだけでなく、医学、生物学を含む日常生活に関連する様々な分野で、人間をより幸せにして、人類が夢見る未来をより迅速に実現するのを助けてくれるはずだ。

未来技術に対する認識の機会

AlphaGo の事件は、これを目の前で体験した韓国社会、そして人工知能の分野に関連するスタートアップ業界全体にかなり肯定的な効果があると思う。今後、AlphaGo のような単純人工知能に関する関心だけでなく、その基盤であるビッグデータの重要性を改めて強調することになるきっかけになるだろう。また、Boston Dynamics のロボット技術など、様々な未来技術に対する韓国社会の関心が喚起されると予想する。

私たちが認識していない間に、既に Google や IBM、ソフトバンク、OSRF(Open Source Robotics Foundation)のようなグローバル企業や関連機関が、人工知能技術の開発を主導している。 コンピュータが最初に勝利したチェスの有望株だった Demis Hassabis 氏が、今日の AlphaGo を作ったように、AlphaGo との勝利による韓国社会への衝撃が、将来の人工知能技術の発展を導く韓国のリーダーシップにつながらないだろうか、と期待したい。

Konolabs

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多くの人が集まってスケジュールを決定することは、容易ではない。 テーマが決まった後に、まず参加者を決定し、会う時間を決定し、場所を決定しなければならない。ほとんどの場合、電話や電子メールなどでおおよその場所を決めた後に、さまざまな方法でスケジュールを調整する。デスクトップでの Outlookの招待機能を利用する人もいれば、スマートフォンでの Google や Apple のカレンダーに入力する人もいる。

ミーティングの参加者のうち、二人だけ忙しい人が含まれていても時間を決定することは容易ではない。時間が空いていると思い違いして、後始末をしなければならない場合もある。どのようにすれば、ミーティングそのものよりも難しいスケジューリングを簡単に解決できるだろうか?

Konolabs の Kono は、機械学習ベースのスケジューラアプリにより、これらの問題を解決しようと試みている。 スマートフォンに含まれている場所・位置などの情報、カレンダーに含まれている過去のイベント、Yelp、Twitter、Google Map などを活用して、個人の状況に合わせた時間と場所を推薦してくれるサービスを提供してくれる。今後はサブスクリプションや場所のレコメンドなどによる有料モデルも検討しており、カカオトークなどのメッセージングサービスとの連動も念頭に置いている。

スケジューラアプリの性質上、メッセンジャーアプリのように、ある程度以上のユーザが確保される必要がある。ビジネス用アプリという側面を考慮して、B2C と B2B マーケティングを同時に進める必要がある。またはB2B顧客を対象とするアプリとのコラボレーションを推進することもよいだろう。企業の顧客を確保し、これにより、ユーザ経験が反映されていることが必要になるだろう。

Lunit

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医療診断分野では、昨年「Theranos」による騒動があった。従来の1000分の1の分量の血液だけで、数百種類の病気かどうかを判断することができるとして、2014年 Fortune 誌のカバーストーリーにも登場し、企業価値90億ドルにまで評価されるスタートアップだったが、実際にはさほどの技術力がない疑惑が提起された。

Theranos の失敗をよそに、医療用画像の分野でビッグデータを筆頭にしたスタートアップの医療分野への進出は、持続して行われている。 「Lunit」は、画像認識の分野の国際大会である「Image Net」で2年連続10位以内にランク入りした深層学習の技術力をベースに、既存の医療画像読取ソフトウェアよりも高い精度で画像を分析するサービスを提供している。現在は、乳房撮影術と乳房病理組織検査に関連するサービスを開発している。

Lunit 重要な成功要因は、評価対象の映像の確保し、分析結果の提供と医療スタッフとのコラボレーションを通じた継続的な検証である。 既存の映像判読ソフトウェアの精度が問題となる分野を選び、分析可能なデータと医療スタッフとのコラボレーションが、容易に市場を先取りして商用化を進めていく戦略が必要である。Lunit のパク・スンウク(백승욱)代表はこれと関連し、ヨーロッパや発展途上国や地域にまず進出する計画を明らかにした。

Standigm

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人工知能によって、新薬開発に必要な日数が圧倒的に短縮できた場合、どのような変化が起こるだろうか? まず、開発費の負担が減った製薬会社としては、従来よりも多くの新薬を開発することで、開発が終わった後も、後続の薬品を継続改善していくことができるだろう。新しい病気が出現したときにも、それに対応する薬を開発する日数が短縮され、それに対するより迅速な対応が可能になるだろう。

Standigm」は、人工知能とシステム生物学の成果を製薬分野に適用し、大規模な医療・生物学情報により、薬物効果を予測するモデリング技術を開発中である。 これにより、新薬開発の過程で薬物候補群を決定したり、臨床患者を選別する上で最適化レベルを向上させることができるようになる。その結果、これまで10年以上の期間と、8億ドル以上の費用がかかっていた薬の開発期間とコストを大幅に削減できるようになる。

現在 Standigm は、「薬物の組み合わせの有効性予測」をテーマに、世界十大製薬会社である AstraZeneca の主催で開かれた Dream Challenge に参加している。

Fluenty

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外国語の勉強をしてみると、最も多く接する本のタイトルは、「よく使う文例500選」のようなものである。実際に、私たちが毎日使う言葉は、個人により偏りはあるものの、あまり多くの文章にはならない。特に個人間の簡単な挨拶は、ほとんどのパターンが決まっている。このような日​​常的な言葉はあえていちいち入力しなくても、いくつかの推奨される選択肢から選ぶことはできないだろうか?

このような考えから始まったスタートアップが「Fluenty」だ。 同社が開発したテキスト深層学習ベースの「Talky」は、4億件以上の会話データに基づいて、スマートウォッチとスマートフォンユーザーのメッセージングの利便性を向上させることができるようにするアプリである。代表のキム・カンハク(김강학)氏は、今後のユーザ行動を予測することでメッセージングを提供する、「予測型サービス」として開発していく計画だという。

個人が使用する表現の多くは反復的な表現ではあるが、気分・状況に応じて表現する方法が個人ごとに少しずつ異なることも事実だ。Talky のようなサービスは、個人間の微妙な表現の違いを反映していなければ、相手には当惑するようなテキストが送信されることもある。 特に日常的に繰り返される会話を最も多くする相手が、親しい友人や同僚などであることを考えれば、そのような危険性は少なくないだろう。Fluenty も、このようなユーザ個人に依存する問題に挑戦し続けることになるだろう。

Scatter Lab

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今年の初め、Appleは人の表情を分析し、感情を読み取ることができる人工知能の分野スタートアップ Emotient を買収した。Emotient は、1日10万個の表情を収集し、分類して表情認識能力を向上させることができる技術の特許を保有しており、1970年代には、すでに感情に基づいて顔の筋肉の動きが生じるかどうかの研究していた、心理学者 Paul Ekman 氏のアドバイスを受けている。 これにより、Facial Action Coding System と呼ばれる感情の読み取り技術を開発している。Wall Street Journal は、Apple がこの技術を何に利用するかは明らかではないと伝えている。

韓国にも感情分析に関連するスタートアップがある。 Scatter Lab は、GingerTEXTAT というアプリを通じて、カップル間のコミュニケーションのパターンを分析し、それに関連する情報を継続的に教えてくれる。Ginger はカップル専用アプリ「Between」と、TEXTAT は「カカオトーク」の会話の内容を分析することができる。話し方の変化や返信にかかった時間、応答の長さなどから、ユーザの気分や生活パターンを認知して、それに対する分析と対応策を提案してくれるのだ。今後は Ginger と TEXTAT で収集されたカップルのデータに基づいてユーザを拡大し、状況や雰囲気に合わせてデータをガイド形式で提供することもできるだろう。

ただし、Ginger と TEXTAT は、行き過ぎた有料化により、最初にアプリを使ってもらうのが容易ではない点を改善する必要がある。 最初に提供される〝ニンジン1本〟では提供されているレポートのいずれかしか見ることができない。Scatter Lab のサービスが素晴らしいとしても、体験ができないサービスに顧客は対価を払わない。各レポートの一部を無料で開放してみてはどうだろうか?

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【原文】

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

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