Orange Fab Asiaが「Spring 2016 season」の東京デモデイに招くシンガポールのスタートアップ3社を選抜

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左から:Orange Fab Asia 西川浩司氏、SoundEye CEO Yeow Kee Tan 氏、OTDocs CEO Roberto Capodieci 氏、Infocomm Investments David Toh 氏、uHoo CEO Dustin Jefferson S. Onghanseng 氏

フランスのテレコム会社 Orange が展開する東アジア地域向けのインキューベーション・プログラム「Orange Fab Asia」は現在、「Spring 2016 season」バッチを実施中だ。このプログラムには日本だけではなく、京畿・創造経済イノベーションセンター(경기 창조경제혁신센터)、シンガポールの Infocomm Investments らとのコラボレーションにより、韓国・台湾・シンガポールなど、世界中のスタートアップが参加していることが特徴だ。

<これまでの Orange Fab Asia のデモデイの様子はこちら

6月15日には東京で「Spring 2016 season」のデモデイが開催されるが、それに先立ち今月19日、Infocomm Investments のインキュベーション・スペース「BASH」で、シンガポールのスタートアップ10チームがピッチを行い、東京でのデモデイに招待されるスタートアップ3チームが選ばれた。

優勝チームには、東京までの往復交通費・宿泊費として1,500シンガポールドル(約12万円)、準優勝の2チームには、同じく750シンガポールドル(約6万円)ずつが支給される。また、優勝チームには、東京での「Spring 2016 season」を経て、Orange のほか、Orange Fab Asia のパートナーにあたるソニーや韓国のテレコム企業 KT の専門家と対話する機会を与えられる。

優勝:Open Trade Docs

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貿易取引や国際的なサプライチェーンは、極めて紙ベースの書類に依存しており、そのため費用が高くつき手間がかかる。Open Trade Docs は個別の商習慣を学習することで作業を自動化し、問題となっているタスクの省力化を支援する。基礎技術にプライベート・ブロックチェーンを採用することで、第三者に依存することなく、取引する二者間での安全なデジタル取引を保証する。すでに黒字化しているが、ビジネスをスケールさせるためにシードラウンド調達中。

準優勝:SoundEye

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<2016/6/10 一部内容訂正> ウエアラブルデバイスではなく、卓上型の IoT デバイスとのこと。

SoundEye ARK は高齢者の異変を察知し、介護者の専用スマートフォンアプリに情報を伝達するウエアラブルデバイス。音声センサーとモーションセンサーで構成され、機械学習により異常であると検知したときのみ、情報を伝達することができる。着用している高齢者が大声で話しているのか、叫んでいるのかなど、音声の種別分析を正確に行うことができ。7人の高齢者に27台のセンサーを身につけて使ってもらって行った4ヶ月間のテストでは、警報の誤認識率はわずか1%にとどまった。必要に応じて、介護者のスマートフォンからの音声をデバイスのスピーカーから出力し、利用している高齢者と対話することも可能。デバイスはユーザの音声をすべて拾うわけではないため、プライバシーも確保できる。

準優勝:uHoo

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屋外よりも屋内の方が空気の質がよくないことはしばしばだ。これは特に、喘息など呼吸器疾患を持つ人にとって大きな問題となる。uHoo は部屋の温度、二酸化炭素濃度、湿度、空中浮遊化学物質などを検出できるセンサーで、ユーザはその状況をスマートフォンでモニターすることができる。詳しくは、今年1月に Choon Yan Tan 氏が寄稿してくれた CEO Dustin Jefferson S. Onghanseng 氏 へのインタビューが詳しい。


なお、6月15日に東京で開催される「Spring 2016 season」のデモデイには、シンガポールからのこれら3チーム以外にも、日本の内外から16チームが集結する予定だ。デモデイへの参加サインアップはまだ開始されていないようなので、聴講を希望する読者は、Peatix の Orange Fab Asia グループをフォローしておくとよいだろう。会場のキャパシティの制約からデモデイは招待制ということなので、聴講を希望する読者はこのフォームから適宜問い合わせてほしい。

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