中国のP2P自動車レンタルサービスATzuche(凹凸租車)、クラウドファンディングで1,470万ドルを調達

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中国で P2P(ピア・ツー・ピア)の自動車レンタルサービスを展開する ATzuche(凹凸租車)は先週金曜日(4月29日)、JD(京東商城)のプライベートエクイティ・クラウドファンディングプラットフォームの JD Dongjia(京東東家) で9,550万人民元(1,470万米ドル)を調達した。このクラウドファンディングプロジェクトには GEMA Capital Partners(芝麻資本)Hui Jin Capital(徽瑾投資) などの投資企業も参加した。

JD Dongjia の広報担当者は中国メディアにこう語っている。

早々に資金調達目標を達成し、新たな記録を打ち立てたのはまったく予想外でした。投資熱は依然として高まっているようです。

中国以外のエクイティ・クラウドファンディングのプラットフォームと同様に、JD Dongjia は一定金額の投資の見返りとして投資家に株式を付与している。ATzuche のキャンペーンを例にとると、投資家は20万元(約3万970米ドル)か1万元(約1,539米ドル)を投資する。資金調達に成功すれば、JD は調達資金総額に対し3~5%に相当する株式を取得できる。ATzuche の他にも、JD.com のエクイティをベースとするクラウドファンディングサイトを活用したプロジェクトに関わる企業としては、北京拠点のハードウェアスタートアップ Nut の他、QF Capital(啓賦資本)、Buttonwood Capital といった投資企業がある。

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ATzuche のプラットフォームは P2P のサービスで、ユーザはこれを使えば利用していない自動車をレンタルに出すことができる。同社によると ATzuche の車は市場価格より30~50%安い価格で貸し出されているという。概ね40万元(6万1,700米ドル)以下のローエンドモデルを対象としている他のプラットフォームとは異なり、 ATzuche はユニークかつ高級なモデルを対象とすることで差別化を図っているという。

同社はその他にも24時間・年中無休のカスタマーサポートやロードアシスタンス・サービスなど多くのサービスを提供しており、北京、南京、杭州、広州、深圳といった主要都市では毎日24時間営業しているという。ATzuche はレンタル取引の手数料、保険料やサービス代金でマネタイズしている。

ATzuche の広報担当者は Technode(動点科技)に対し次のように語った。

当社は中国でも最大の P2P 自動車レンタルブランドに成長しました。中国東部での受注の90%を獲得し、南部では60%を超える市場シェアを有しています。

今後の展開に関しては引き続き顧客体験が中心となります。製品やサービス体験の全般的な向上に努め、利益モデルを開拓していきます。

2014年5月に公式ローンチした同社は同年10月に Matrix Partners China(経緯中国) が主導するシリーズ A ラウンドで1,000万米ドルを調達した。2015年11月には3億元(4,630万米ドル)のシリーズ B ラウンドを完了し、China Pacific Insurance(中国太平洋保険)、CSC、Hearst capitalIvy Capital Partners、Matrix Partners China から資金を調達した。

中国ではここ2年の間に数多くの P2P 自動車レンタルサービス企業が資金を獲得している。例えば上海を拠点とする51auto(51汽車) は昨年3,000万米ドルをシリーズ C ラウンドで獲得、今年の2月には iZuche(首汽租車) が広州を拠点とする P2P 自動車レンタルサービス Reocar(瑞卡租車) の株式を40%分取得した。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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