ブランド品C2Cの「スマオク」が越境ECに対応——英語・中国語への翻訳機能を備え、世界4地域に販売可能に

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C2C ブランド品オークション・プラットフォーム「スマオク」を運営するザワットは16日、海外のユーザが現地環境でアクセスできる「SMAOKU(思暮客)—スマオク越境版」を公開した。対応地域は、アメリカ香港台湾シンガポールの4地域で、インターフェイスは英語と中国語の繁体字に対応している(現在のところは、中国語・簡体字が採用されているシンガポールや、英語のアメリカ向けにも、中国語・繁体字で提供されている模様)。

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買い手(中国語)から売り手(日本語)への問い合わせインターフェイス。質問が選択式であるため、正確に伝わる。

このインターフェイスの公開により、日本のユーザは、これまで「スマオク」のサイトやアプリ( iOS / Android )でブランド品を国内出品するのと同じ要領で、海外のユーザにも出品範囲を拡大することができる。売り手と買い手の言語障壁を、自動翻訳機能や商取引に必要な会話テンプレート集で大幅に緩和。このほか、輸出時に必要な税関申告書類の自動作成機能、売り手が国内倉庫に商品を送付するだけで海外の買い手に転送される機能、VISA / MASTER カードによる決済機能により、上記4地域からの買い手を受け入れることができる。

海外出品利用にあたっては、日本の売り手ユーザは、アプリのマイショップページで「海外販売」をONにするだけで対応可能。スマオクの国内利用においては、成約時に売り手が取引手数料10%(スマオク公式ショップは5.4%)をザワットに支払うが、海外出品では、決済手数料と送料を買い手が負担する仕様となっている。

ザワットは昨年6月、今回リリースされた越境EC対応を目的として2.5億円を資金調達している。この際の投資家の中には、中国の VC である SIG Asia Investments(海納亜洲創投)が含まれているが、越境EC の需要が多い中国が、今回のサービス対応地域に含まれないことは不可解である。

smaoku-global-deliveryこの点について、ザワット CEO の原田大作氏に尋ねたところ、中国は関税が高いこと(商品カテゴリによっては安いが、ブランド品であるため)、サーバの立て方が他地域と異なること(Great Firewall=金盾や海外との回線の細さの問題から、中国国内にサーバを立てる必要があり、ICP ライセンスが必要になる)、プロモーション方法の違い(Facebook が使えない)、決済方法の違い(UnionPay=銀聯や、AliPay=支払宝などが主流)などから、実装方法を検討中とのこと。今回の対応4地域の反応を見ながら、年内に中国本土向けのサービス開始を目指したいとした。

中国に行くと、通常の Eコマースではなく、越境EC(跨境電商)というトピックにフォーカスした講演イベントが開かれているのをよく見かけるが、越境 EC の多くは、日用品や消耗品など新品商品の取り扱いが占めている。ブランド品のリユースの越境EC は、商品供給側に、ブランド品を丁寧に使う日本人消費者がいるこそなせるビジネスモデルと言え、このセグメントに限れば、Alibaba など大手を差し置いて、スマオクが優位に立てることも考えられるだろう。

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