ピーター・ティールらが1億ドルも投資したスマートホームサービス「Vivint」は何が他と違うのか?

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<ピックアップ>Peter Thiel and Mitt Romney invested $100 million in a company that wants to be the Apple of smart homes

ユタ州に本拠を置くスマートホーム企業Vivintが、ベンチャーキャピタルから1億ドルを調達しました。

興味深いのは、この投資がPayPalの共同設立者であり著名な投資家でもあるPeter Thiel氏やSolamere CapitalのMitt Romney氏主導でされたことです。

Thiel氏がスマート・ホーム関連で投資しているのは実はこの1社だけです。他のスマートホーム企業になるVivintの魅力とはなんなのでしょうか。

まず、VivintがNestやAmazonのようにスマートホーム関連のガジェットそのものを販売するのではなく、サービスを提供する点にあります。例えば、月額54ドルからのプランを利用すれば、Vivintのスタッフが専用アプリでコントロールできる照明、サーモスタット、玄関の鍵等を家に取り付けに来てくれて、操作の方法を丁寧に教えてくれます。もし何か不都合が生じれば24時間のカスタマーサービスが対応してくれますし、遠隔で対応出来ない時はわざわざ人も派遣してくれます。

スマートホームの世界もテクノロジーの進歩が速く、一般の人にとっては我が家に何をどう取り入れたらいいのかすら判断が難しいところ。そこに専門家が手助けをしてくれるのは魅力的なサービスと言えるでしょう。

それを裏打ちするかのようにVivintのユーザーは契約を長く続ける傾向にあるようです。100万人近くいるユーザーは平均9年近くVivintを利用しています。また、会社自体も2015年には6億5,000万ドルの収益を上げていました。

「顧客はこれ以上最新のガジェットを追いかけていない」

「Vivintの大切なビジョンの1つに『商品ではなく経験を売る』ということがあります。顧客はもうこれ以上最新のガジェットやスマートホーム環境を追いかけたがってはいないはずです。彼らにとってのテクノロジーとは時間とエネルギーを節約してくれて、友達に少しばかり自慢出来るようなものなのです。」とVivintのファウンダーでCEOのPedersen氏は説明します。

Pedersen氏はその体験をApple IIのそれになぞらえます。

Apple IIはそれまで一部の人の趣味だったコンピューターを本当の意味での『パーソナル・コンピューター』にしました。私を含めた顧客はApple IIというガジェットを買うというより、それが可能にする『システム』にお金を払っているわけです。

このようにスマートホーム関連のガジェットそのものよりも、それをどう生活に組み込むかを重視したサービスであることがThiel氏にアピール出来たポイントのようです。Vivintは現在アメリカ、カナダ、ニュージーランドでサービスを展開していますが、今後はさらに多くの国々で展開する予定です。

via Business Insider

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