Uberが、中国国外の中国人旅行者向けにAlipay(支付宝)決済の受付を開始

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Image credit: Chinese Tourists.
CC BY-NC 2.0: via Flickr by Chinese Tourists

Uber と Alibaba(阿里巴巴)がスピンオフしたモバイル決済サービス Alipay(支付宝)は本日(5月3日)、配車サービスを利用する中国人旅行者が世界中のどこでも Alipay で運賃を支払うことが可能なジョイントプログラムのローンチを発表した。

初めてこの話が出たのは2月、Uber が中国本土のユーザは Alipay アカウントを使って香港、マカオ、台湾で運賃の支払いが可能になると発表した時だ。今回のニュースでは、Uber がサービス展開している世界の400以上の都市全てへと適用地域が広がった。

Alipay は、Alibaba  が一部所有する子会社 Ant Financial(螞蟻金融)が運営している。4億5,000万以上のアクティブユーザを誇る中国最大の決済アプリで、つい最近シリーズ B ラウンドで45億米ドルという巨額の資金を調達したばかりだ。

以前は、中国人が海外で Uber を利用する場合には海外で発行されたクレジットカードを使わなければならず、もしくはUber ドライバーが現金を受け取るインドなどでは外貨で支払う必要があった。

この提携には2倍の価値がある。Alipay はすでに Uber アプリに統合されているので、中国人ユーザが通常使っている方法で使用できる。また、国外においては Alipay アプリ内で Uber 配車ボタンが表示されるようになる。

長引く争い

今回の Uber と Ant Financial の提携は、Uber とその中国最大のライバル Didi Kuaidi(嘀嘀快的、Ant Financial を支援している Alibaba が投資)との世界的争いの一環だ。両社は中国本土を出て国外のローカルパートナーと提携しているだけではなく、海外を旅行する中国人旅行者にも目をつけている。

Didi は先日、アメリカを拠点とする Lyft との提携を発表し、中国人ユーザは Didi アプリ内で Lyft 配車サービスを利用できるようになった。また、同社はインドの Ola、東南アジアの Grab とも提携している。

一方、Uber は他の配車サービスアプリと直接提携することを避け、海外ユーザのために同社サービスをよりスムーズでシームレスなものにしようと取り組んでいる。最も大きな取り組みの一つが決済であり、この最新の動きはソリューションに向けた一歩である。

海外で運賃の支払いに戸惑っている Uber ユーザは中国人だけではない。同社はまだ計画段階だがインドの Paytm に対するサポート拡大も発表している。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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