急成長中の個人間送金サービス「Venmo」、米若者を惹きつける理由とは?

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<ピックアップ>Venmo is growing ridiculously fast

PayPal傘下の個人間送金サービス「Venmo」が好調な成長を続けている。

第1四半期における総取引額を見てみると、2015年は12.6億ドルだったのに対し、2016年は32億ドルと約2.5倍に増加しているのである。Venmoは米国で若年層を中心に圧倒的な人気を誇っているのだが、同サービスの人気には大きく2つの理由があるといわれている。

1つ目は基本的に手数料無料で個人間送金が利用できることだ。サービス上にはクレジットカード、デビットカード、銀行口座を登録できるようになっているが、そのなかでも若年層も所有でき、かつ利用頻度の高いデビットカード間での送金が、手数料無料で利用できるのだ。

2つ目はソーシャル機能だ。Venmoが活躍するのは飲み会の支払いやパーティーの会費といった人の集まるシーンが主となる。そういった「イベントごと」への参加をタイムラインに表示する機能は、イベントへの参加を共有することに慣れた若年層にとっては重宝する機能となる。

こういった機能を有することによって、Venmoは個人間でのお金のやりとりにおいて「Venmoでお金を送る」ではなく「Venmoする」という言葉が生まれるほど、その認知度を高めているのだ。

しかし、そんなVenmoが抱えている課題は、意外にも収益化にある。取引額は着実に増えているものの、基本的に手数料が無料なためデビットカード以外での取引手数料が主要な収益源となる。しかしデビットカードでの手数料無料がきっかけで利用するユーザーが多いVenmoにとって、そこから得られる収益は微々たるものだ。収益化のために同社は現在、「Venmoでの決済機能」に力を入れはじめている。「Apple Pay」や「Android Pay」などと同様、Venmoのアカウントを通じて決済することでクレジットカードなどと同様に加盟店から決済手数料を取るという手法だ。

現状では、フードデリバリーサービスの「Munchery」とスポーツチケット販売サービスの「Gametime」において、Venmoによる支払いがテスト運用されている。

PayPal傘下に入り、着実にユーザー数と知名度を向上させたVenmo。ここから大きなリターンをPayPalに返していくこととなるのか。Venmoの今後は、個人間送金サービス全体の今後を占うこととなるかもしれない。

via Re/code

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