JQが、Webサービス開発やアプリ改善のためのユーザ意見収集プラットフォーム「&Check」をローンチ

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Webサービス事業やプロジェクトマネジメント事業を展開する JQ は先ごろ、Webサービスやアプリの提供会社が、ユーザからの意見収集が行えるリサーチ・プラットフォーム「&Check(アンド・チェック)」をローンチした。博報堂DYグループ傘下のシンクタンク SEEDATA との共同事業として運営される。

ユーザ意見の収集手段として用いられる Focus Group Interview(FGI)は、一般的に調査対象者を集めるのが困難で、インタビューの準備作業や発言録の作成、リサーチスキルを持った人がいないなどの問題から、Webサービスやアプリの提供会社が社内リソースで自ら実施するのは難しい。調査会社やコンサルティング会社がアウトソースすることもできるが、その場合でも、準備作業から調査結果のアウトプットが出てくるまでに数カ月以上を要することが多い。期間がかかるということは、それだけ費用も高額になり、スタートアップや中小企業が依頼するにはハードルが高くなる。

&Check では、調査会社大手のマーシュとの提携により、日本全国に80万人のアンケートモニターパネルを確保。これに、ユーザの意見を引き出しやすくする「ヒアリングツール」「リサーチ専門家サポート機能」、SEEDATA が監修する「リサーチガイドライン」を加え一元的に提供する。一連の意見収集作業はオンラインで完結するが、特に欲しい意見を正確にモニタから収集するには「質問の聞き方」にコツがあり、SEEDATA の監修はこの点において大きな意味を持つのだという。

インターフェース改善を試みるなら、A/B テストやグロースハックツールなどを使う手法もあります。しかし、これらのツールでわかるのは、あくまで、A よりも B が選ばれたという結果だけ。その結果に至った背景は仮説を立てて推測するしかない。&Check では、ユーザが何を求めているのかというコンテキストを直接聞くことができます。(代表・下田幸祐氏)

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&Check のサンプル画面
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&Check のサンプル画面

&Check を利用することで、Webサービスやアプリの提供会社は、そのサービスがユーザにどのように思われているか(サービス受容性)、ユーザの意識や価値観、生活行動を深く理解することができる。準備からアウトプットが出るまでの期間も、最短で3週間と従来の数分の一に圧縮されているのが特徴だ。実施費用は、4〜6名のパネルを調査対象とした場合で50万円から。

これまでに、パイロット的に転職サイト大手ビズリーチの careertrek や、オンラインスタイリングサービスの Let Me Know などで導入してもらったところ、新たなユーザニーズの発見やサービス提供側のチームのコミットメントにつながり、現場からは高評価が得られているという。JQ では独自のセールスのほか、調査会社やコンサルティング会社との提携により、年内に30社への導入を目指している。

JQ は代表取締役の下田幸祐氏が、学生起業ののち、アクセンチュアを経て2007年に創業。 &Check 以外にも、多肉植物/サボテン専門ストア「solxsol(ソルバイソル)」、シニア犬飼い主向け情報共有サイト「inuck(イヌック)」などを運営しており、いわゆるブートストラップの会社で、これまでに外部からの資金調達は行っていない。事業の進み方によっては、将来、事業のスピンオフや他社とのジョイントベンチャーの可能性も模索したいとしている。

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