廃業危機からの復活と成長ーー生活応援サイト「ママリ」運営会社がKDDIグループ入り

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.6.16

やり通せば必ず未来はある、そう思わせてくれるニュースだ。

出産や子育てなど女性のライフスタイルに合わせた悩み、不安を解消するコミュニティサービス「ママリ」を運営するConnehitoは6月16日、5月31日付でKDDI傘下のSyn.ホールディングスの連結子会社となったことを発表した。売却した株式の内容や価格、その他詳細については非公開。

ママリの成長についてはちょうど1年前に書かせてもらった。代表取締役の大湯俊介氏とCTOの島田達朗氏らは廃業ギリギリのところからママリの原型を立ち上げ成長させることとなる。

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1年前に100万人ほどだったユーザー数は500万人に拡大。Q&AコミュニティのママリQは出産予定日迎える女性10人に1人が利用しているという。(大湯氏の説明では全体の数は100万人ほどでママリQには十数万人が登録しているそうだ)

ビジネスについてもこういった濃厚なコミュニティに対してリサーチを含めたマーケティングプランが売れ行き好調で、例えば彼らの顧客のひとつである衣料品メーカーなどは幼児向け商品のモニター調査をこのコミュニティで実施し、商品改善に役立てているという話だった。

こうして同社は月商数千万円規模のビジネスを生み出すことに成功している。同社は今回、Syn.ホールディングス傘下となることで、こういったマーケティング商品の拡販、メディアの更なる成長を目指すとしている。

やめない選択

「創業期から一緒にやってる島田さんと二人三脚でここまでやってきました。ママリQはそもそもQ&Aコミュニティなんですが、匿名の人たち同士で出産日に生まれた子供たちの写真をあげて報告したりしてるんです。ママリで質問に答えてくれてありがとう、と」(大湯氏)。

自分たちが生み出したサービスで人々が幸せそうにしている、そう大湯氏は嬉しそうに語る。

現在、開発7名、30名近いメンバーの多くは主婦だったりユーザーの層に近い。大湯氏は最初から一貫してメディアではなくコミュニティを作りたいと話していた。クラウドソーシングで適当に記事を作るのではなく、コミュニティに寄り添ったサービスを作りたい、そういう考えがチームにも表れていたように思う。

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connehito社内に飾れたユーザーの写真

現在販売が好調というモニター商品も、こういった濃密なコミュニティがなければ成立しない。彼らがキュレーションやコンテンツマーケティングの事業者と一線を画している部分だ。

ただ、ここまでやってくるのはとても平坦ではなかった。現在28歳の大湯氏が創業したのは2012年1月。MOVIDA JAPANのアクセラレーションプログラムで手にした500万円ほどの資金で最初のサービスを作り成長を目指した。

KDDIの主催するプログラム「KDDI ∞ Labo」に参加したり、VOYAGE GROUPのBOAT、経済産業省の助成金プロジェクトなどを転々とするが、どうしてもサービスが伸びない。ここで初期のサービスCreattyを諦めることになる。

その後の成長については前述の通りだ。

「会社をたたむことも考えた」ーー事業転換で生まれた女性向Q&Aの「ママリQ」、BDVなどから資金調達

大湯氏が他の若者と違ったのはここからだともう一度力を振り絞ったこと、コーチ・ユナイテッドの有安伸宏氏やANRIの佐俣アンリ氏、前回ラウンドで支援したB Dash Venturesやプライマルキャピタルの佐々木浩史氏らなど、支援者が多かったことだ。

「自分が成功しないと次がないんです」。

学生起業家が創業し、大手グループ入りして次にどのような成長を見せるのか。スタートアップや大企業の取り組みが注目されつつある今だからこそ、大湯氏たちの次の活躍に期待が集まる。

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