交換された枚数は1年間で10,000着、平均年齢35歳のママに支持される子ども服交換サービス「mycle」

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先日「Le Tote」という米国のファッションレンタルサービスを初めて利用してみました。届いたアイテムを好きな期間だけ着て、特に気に入ったものだけ手元に残して他のアイテムは送り返す。手元に残すアイテムは、正規より安い価格で購入することができます。洋服を買い足すのではなく、クローゼットをアップデートする感覚でファッションの楽しみ方の幅が広がります。

もともと、妊婦さんのマタニティの洋服を対象に始まったLe Tote。限られた期間しか着ない洋服を新品で購入し、結局タンスの肥やしにしてしまうのをもったいないと考える人は少なくありません。同じことが、子ども服にも言えます。特に成長盛りには、買ったばかりだと思っていた服があっという間に着れなくなっていたなんてことが頻繁に起こります。

mycle-top-page

そんな子ども服を対象とした子ども服交換サービスが「mycle(マイクル)」です。2015年6月にサービスを開始したmycleは、着られなくなった洋服を困っているママにあげて、代わりにぴったりサイズの服がもらえるもの。サービス開始から1周年を迎えたmycleは、1年間で10,000着を超える子ども服を交換してきました。

オーガニックに増えてきた利用者数は、数千名規模に及んでいます。利用者の多くは、2〜3歳の子どもがいる平均年齢35歳のママです。今現在、mycleが取り扱うのは60〜120サイズですが、大きくなっても継続利用できるよう、これからは150サイズまで幅を広げるとのこと。これで、小学校卒業くらいまでの子どもまでがmycleを活用できるようになります。

mycleは、手元にある着られなくなった洋服を送ることで、ぴったりサイズの洋服と交換できる仕組み。mycleに洋服を送って新しいものを受け取った会員による継続率は、約80%。サービス開始当初から毎月継続利用している人もいれば、衣替えの時期に絞って利用する人も。

サービス開始当初は、子ども服の注文が先行して服の在庫が枯渇してしまうことが懸念されました。ところが、この1年間を振り返ってみると全くその心配はなく、予想以上に子ども服が集まっています。

「これは嬉しい誤算でしたが、直近では1ヶ月に2,000着ほどの子ども服を送っていただきました。1人あたりでは、継続して40着〜お送りいただけます。このことから、家庭で無駄になっている子ども服の数は、表に数字として出てこないだけで相当数眠っていると考えています」。(VONOVO 代表取締役社長の谷本直人さん)

mycleに並ぶ箱

シェアリングサービスとしてのmycleが特徴的なのは、そのチケット制度。金銭の支払いは送料のみで、手離した洋服の量に応じてチケットを入手して、それで新しい洋服が手に入るため、金銭のやりとりが発生しません。このチケット制度は、利用者に「交換」の意識を強く根付かせているようです。

集まる子ども服の質ですが、「他のお子様が着用するという」意識でお送りいただける傾向があります。アイテム撮影時に目視で検品していますが、この段階で排除される子供服の割合は0.6%に留まります。中にはファミリア、バーバリーなどのハイブランド品も含まれています」。(谷本直人さん)

今後は、育児全般のリサイクル・シェアの交換プラットフォームを目指していくというmycle。洋服に止まらず、玩具・絵本・抱っこ紐といった育児関連の商材の取り扱いを開始する予定。玩具の交換は、今月中にも開始されます。

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