自宅でできる腸内フローラ検査キット「Mykinso」が、腸内フローラに特化したメディアを開始

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NHKなどのテレビ番組でも重ねて取り上げられるようになったことで、「腸内フローラ」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。腸内フローラとは、健康な人の腸内にも存在する腸内細菌のこと。私たちの腸内には、1,000種類、数にして約1,000兆個もの腸内細菌が住み着いており、この腸内細菌の集合体を「腸内フローラ」と呼んでいます。

解析技術の発達やコストの低下によって、そんな腸内フローラの働きが少しずつ解明されつつあります。例えば、腸内フローラには、食べ物の分解や栄養の吸収に大きな役割があるとか。英語で「マイクロバイオーム」と言われる腸内フローラですが、マイクロバイオーム業界では米国を中心に、検査キット販売や治療法の開発といった事業が展開されています。

日本国内で販売されている、自宅でできる腸内フローラの検査キットが「Mykinso(マイキンソー)」です。価格は、税込19,440円。専用サイト(またはAmazon)で購入したキットが届いたら、まずはアカウントとキットIDを登録。都合の良いタイミングで採便したら、1週間以内に専用封筒に入れて郵便ポストに投函するだけ。キット到着から6週間程度で検査結果が判明します。

腸内フローラに特化したメディア「Mykinso ラボ」

Mykinso Lab

2015年11月の正式販売から半年強で、これまでに1,200名以上のユーザに利用されているMykinsoですが、新たに「Mykinso ラボ」という腸内フローラに特化した専用メディアを立ち上げました。検査キットの利用者に対して、自分の腸内環境に合わせたコンテツを提供。また、馴染みのある「乳酸菌」や「ビフィズス菌」にとどまらず、1,000人に1人しか所有していない希少な菌までを網羅する「菌辞典」も。

一般個人に向けて販売されているMykinsoの検査キットですが、初期の利用者にはもともと腸内フローラに注目していた業界の専門家などが多いのだと言います。Mykinso ラボの初期のターゲットは、この「人を指導する」立場にある栄養管理士や医師などの専門家です。腸内フローラにまつわる話題を公平な視点で提供することで、普段の指導に取り入れて有効活動してもらう目論見です。

記事を執筆するのは、サイエンスライターなどの専門家。腸内フローラの最新の研究を紹介するものなど、リリースのタイミングで数十本ほどの記事を読むことができ、今後は毎週の更新を予定しています。メディアを通して専門家とのコミュニティを育むことで、今後のMykinsoの事業展開にも役立てられるのではと考えています。

データを活用した栄養指導などの事業展開

現在、検査キットの販売を通じて蓄積されている人々の腸内フローラの情報。でも、データはあくまでデータでしかありません。検査を受けた人が、そのデータを生活に取り入れられる形で解釈できるものにしてあげることが大切。具体的には、2017年には食事指導などのアフターケアサービスなどの展開を予定しています。

「既にパートナーになりうる企業と協議を始めています。そのさらに先には、生活習慣病の未病なども視野に入れた事業を考えています。また、Mykinsoを普及させるために、クリニックを開拓するなどして提携パートナーを増やしていきます」(サイキンソー 代表取締役社長 沢井悠さん)

Mykinsoが集積したデータは、個人向けのアフターケアサービスにとどまらず、「日本人のデータ」として国外に対しても有益な情報になると話す沢井さん。世界的にも健康で長寿な人種として知られる日本人の腸内フローラの解明は、成人の3人に1人が肥満だと言われる米国など諸外国にとって、国民の食生活を改善するヒントになりえるからです。

「新しい土地に引っ越すと、3世代で腸内サイキンソーがその土地のものになると言われています。それだけ、腸内フローラは食生活に寄るところが大きいのです。健康な「日本人のデータ」を集めることは、世界の健康を語る上でも重要になるはずだと思います」。(沢井悠さん)

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