モバイルマーケティングのROIを分かりやすくする「Tenjin」、250万ドルを調達

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Above: Top left to right: Amir Manji, Makoto Taguchi, Henry Oh, Christopher Farm Bottom left to right: Sunny Cha, Ricky Nguyen, Matthaus Krzykowski Image Credit: Tenjin
上: 上左から: Amir Manji, Makoto Taguchi, Henry Oh, Christopher 下左から: Sunny Cha, Ricky Nguyen, Matthaus Krzykowski
Image Credit: Tenjin

モバイルマーケティングのテックスタートアップ Tenjin が中国のNetEase Capitalから250万ドルを調達した。

サンフランシスコに拠点を置く同社は、アナリティクス、アトリビューション、アドネットワークからのデータ集積機能を一つのダッシュボードにまとめて、モバイルアプリやゲームの開発者などといった顧客に提供している。様々な情報元からデータを集めて、モバイルマーケティングを簡略化するのだとTenjinの共同創業者・CEOのChristopher Farm氏は言う。

「アプリ開発者とマーケターのために標準的なマーケティングインフラを開発し、彼らがユーザー獲得のために実施する広告キャンペーンごとのROIを理解できるようにします」とFarm氏は言う。

同社が取り組んでいるのは「SDK 疲労」、つまりモバイルゲーム企業で働くプログラマーを悩ます問題だ。プログラマーは一つのアプリに対して、平均で17.5種類ものSDKを統合している。Tenjinは、通常であれば Localytics、AppsFlyer、Singular といった個別の企業が取り扱っているモバイルマーケティングの機能を一元化しようと試みている。

Farm氏と彼の共同創業者であるAmir Manji氏は、以前Tapjoyで働いていた。Tapjoy やその他の企業で、広告キャンペーンに対するROIを簡単に把握する方法がないことに気づく。アプリ開発者が、一人のユーザーが使用期間中にどれだけの収益を生み出すかを理解していれば(生涯価値)、そのユーザーを獲得するためにどれだけの費用をかけられるかが理解できる。

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Above: Tenjin helps devs measure ROI for mobile marketing campaigns. Image Credit: Tenjin
上: Tenjin を使うと開発者はモバイルマーケティングキャンペーンのROIを測定できる
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「この問題をどう解決するかは様々です。アトリビューションパートナー(Tune、Kochava、Adjust、AppsFlyer)だったり、アナリティクスパートナー(Mixpanel、Amplitude)、またはアドネットワーク(Tapjoy、Facebook)から広告費用をマニュアルで取得したり、といったように」Farm氏は言う。

彼らはこうしたデータをレポートから得て、Excelのスプレッドシートを生成します。そこからデータ分析を行います。私たちはこうしたこと全てを一元化するソリューションを開発し、彼らがマーケティングROIをよりよく理解できるように役立てたいと考えています。非常に理にかなったものですが、こうしたこと全てを結びつけて一つのソリューションにまとめるものがこれまで存在していなかったのも驚きです。全てのパートナーを通してデータを結びつける、つまり私たち自身でそれを実施します。ユーザーは、全てのデータを一つの場所で手に入れられるのです。

規模の大きい企業はこうした類のことをするのに、社内にビジネスインテリジェンスを取り扱うインフラを有しているが、小規模の企業は通常そうではない。Tenjinは顧客がデータに直接、また再構成可能な形でデータインフラにアクセスできるようにする。顧客にダッシュボードを、まるで顧客自身が作ったかのように提供する。それによって、開発者は自分でなにか作ることなく広告配信業務をスケールさせることができ、より仕事が洗練される。

「このインフラを全ての人のために開発しています。より大きな規模の組織と同じレベルの粒度と詳細さを得られるようにします。私たちは、サードパーティの企業とアドネットワークと提携しています」とFarm氏は言う。

今回の資金は、中国のゲームパブリッシャーNetEaseのベンチャー部門であるNetEase Capitalが出資した。また、エンジェル投資家のHerman Yang氏、Waikit Lau氏も出資している。これまでは、Y Combinator、Lightbank、エンジェル投資家のEric Wu氏とDavid King氏が出資している。

Tenjinは2015年8月に創業した。2014年にY Combinatorのプログラムに参加している。Yelp、Natural Motion、Playdots、N2twork、KLabが顧客に含まれる。

「Tenjinは、会社規模に関わらずアプリ開発者を悩まさせる共通した課題を解決しています。よりスマートに効果的に広告キャンペーンを実施するためのデータにアクセスしなければならないという課題です」Admob(Googleに買収されている)の初期社員でスタートアップアドバイザーのYang氏は述べている。「長い間、アプリ開発をする大きな組織はソリューションを内製していましたが、Tenjinはマーケティングインフラをまだもっていない開発者にも平等な場をつくろうとしているのです」

同社は過去1年以内に、1億ドル以上の広告費用と2500万ドル近くの広告収益を処理した。現在は、毎月3億のイベントを処理している。Tenjinは70以上のパートナーの広告企業やメディア企業と連携しており、その数は毎週増加している。現在従業員は7名で採用を強化中だ。

Above: Tenjin processes hundreds of millions of mobile events a month. Image Credit: Tenjin
上: Tenjin は毎月何億ものモバイルイベントを処理している
Image Credit: Tenjin

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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