Techstars元ディレクターのTak Lo氏が人工知能ビジネス特化の資金提供プログラム「Zeroth.ai」を始動——アジアから世界の高みを目指す起業家を募集開始

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ここ1年くらい、アジアの随所で、ほぼ毎月のように出くわす人物がいる。香港を拠点に、スタートアップへのメンタリングや投資活動を行う Tak Lo 氏だ。2月に開催された THE BRIDGE Fes では、アメリカのデジタル広告代理店大手 R/GA の Stephen Plumlee 氏に登壇いただいたが、これがきっかけで、R/GA のアジアにおけるスタートアップ・アクセラレーションを統括していた Lo 氏が THE BRIDGE Fes を訪れていた。

以降、ここ数ヶ月でも、Open Network Lab のデモデイ(東京)、彼がメンターを務めるエストニアの学習プラットフォーム「Lingvist」の楽天からの資金調達と日本オフィス開設(東京)、SLUSH ASIA 2016(東京)、ASIABEAT 2016(中国・アモイ)、RISE 2016(香港)など、SPH Plug & Play のデモデイ(シンガポール)など、アジア地域で開催される主なスタートアップ・イベントには必ずと言っていいほど顔を出している人物だ。

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Tak Lo 氏

彼はロンドンを拠点に、世界的なアクセラレータである Techstars でスタートアップに投資やメンタリングを行ってきたが、昨年末に香港へ戻り、アジアでアクセラレーションを行う活動を準備していた。そうして生まれたプログラムが「Zeroth.ai」だ。

zeroth とはゼロの序数であり、first よりも先んじていることを意味する。Zeroth.ai では、世界市場に打って出るアイデアを持った、人工知能や機械学習のシードステージのスタートアップを募集し、彼らに資金を提供する計画だ(基本的なケースでは、Tak Lo 氏が投資対象のスタートアップの6%の株式を取得し、2万ドルのシード資金を提供)。

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アジアでは、ドローン、IoT、AR/VR に特化した投資ファンドやアクセラレータはいくつか生まれているが、人工知能や機械学習の分野については、まだまだこれからというところ。一方で、これからの5年間で最もホットになる領域は、人工知能や機械学習の分野であると Lo 氏は確信しており、日本から Atomico の岩田真一氏をはじめ、世界の投資家や人工知能スタートアップを営む起業家をメンターに迎え、有望な人工知能スタートアップに世界進出の機会を提供したいとしている。

プログラムは今年11月に開始される予定で、先ごろ、参加を希望するスタートアップの募集が開始された。インタビューやメンタリングはオンラインでの実施が主だが、実地メンタリングやイベントを行う場合は、Lo 氏が活動拠点とする香港で開催することになるだろうとのこと。人工知能系のサービスは市場の地域特性の影響を受けにくいので、優れたアイデアと露出機会を確保できれば、世界市場を奪取するには好都合かもしれない。我こそはという読者は、この機会にぜひトライしてみてほしい。エントリの締切は9月25日だ。

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