一時代の終焉:米ベライゾンが正式に米ヤフーを48億ドル(約5100億円) で買収

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Above: Outside the Yahoo office in San Francisco. Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
上: サンフランシスコのヤフーの外観O
Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

(こちらの記事の抄訳です)

米ヤフーの20年強の独立企業としての時代が終わりを告げる。ベライゾンが同社を48億3000万ドル(訳者注:106円換算で約5100億円)で買収したという発表があった。

先週末には買収の協議が進んでいるとの情報がかけめぐったが、正式の情報ではなかった。この買収の一環として、米ヤフーはベライゾンのエグゼクティブバイスプレジデント、プロダクトイノベーションとニュースビジネス事業のプレジデントであるMarni Walden氏が管轄するAOLに統合される予定だ。

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「つい1年強前に、私たちは消費者やクリエイター、広告主向けに様々な端末を通したつながりを提供するという戦略を強化するためにAOLを買収しました。今回のヤフーの買収によって、ベライゾンはトップグローバルモバイルメディア企業として競争力が高まり、デジタル広告における収益源を加速するのに役立つでしょう」

プレスリリースで、ベライゾンの会長兼CEOの Lowell McAdam氏はこのように語る。

ベライゾンの勝利

ベライゾンが選ばれたことは特段驚きではない。ヤフーというかつての巨大な検索エンジン企業を買収するという交渉において、常に先頭にいると推測されているされていたからだ。

今年はじめ頃、ヤフーは「積極的な戦略プラン」を実行していることを発表したが、立て直しのためのあらゆる試みは不毛に終わった。マリッサ・メイヤーCEOの4年に及ぶリーダーシップを経て、株主たちは忍耐を失い、最終的にそれが買収に興味のある企業に向けて自らを売りに出すことになった。

公平にいえば、ヤフーはメイヤー氏が舵を取るずっと前からぐらついていた。その前のCEOたちもコスト削減のためにレイオフを繰り返してきた

かつて1280億ドルという時価総額をピーク時に記録したヤフーは(この額はWalt Disney Coの最高時価総額の倍以上だ)、かつての栄光時代に戻るすべを見つけることができなかった。だが今では、主軸となる事業は多くの人に実質的に価値がないと信じられており、ヤフーの現在の価値のほとんどがAlibabaとヤフーJapanにある状況だ。

ヤフーとそしてメイヤー氏の運命を決定づけたことがある。2015年、メイヤー氏は方向転換をして同社のAlibabaをAbaco Holdingsという名の別の企業に変えないという決断を下した。ほどなくして、アクティビストヘッジファンドのStarboard Valueが株主闘争を起こすと脅し、最終的に取締役会の4席を引き渡すように交渉することになった。

過去数カ月にわたって、ヤフーはコア事業を買収したという多くの企業を検討してきた。ベライゾンはずっと本命だったが、他にもプライベートエクイティファームのTPGやAT&Tも挙がっていた。

この買収契約は、一般的な当局の承認とともにヤフーの株主の承認を得る必要があるが、2017年はじめにはクローズすると思われる。

メイヤー氏の今後に関しては、5700億ドルの退職手当を与えられるだろうという推測もあったが、本日の買収ニュースの直後には「ヤフーが次のステップへと進むのをみるため」関わりを続けるという声明も出している。長期的な関与を意味しているのかもしれないが、買収が終結する2017年はじめまでという意味かもしれない。

この買収のニュースが流れ始めてから、ヤフーの株価は1.36パーセント上昇し、時間外取引でほぼ40ドルにまで達した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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