バーコードをスキャンするとPepperが多言語で商品情報を教えてくれるーー商品情報の多言語データベース「Payke」

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「手にとってラベルを見ても、それがなんの商品なのかよくわからない」ーー海外に行ったことのある人なら、こんな経験をしたことがあるだろう。

日本人が海外を訪れた際にこうした経験をするのと同様に、海外から日本を訪れた人々もパッケージを見ただけではどんな商品なのかわからない。

どんな商品なのかわからなければ、購入することは難しい。日本の小売店に置かれている商品たちは、買われるチャンスを逃しているとも言える。

沖縄発のスタートアップ Payke(ペイク)が目指すのは、訪日観光客にも商品の魅力を伝えていくことだ。Paykeは、商品のPR情報を多言語化し、バーコード(JANコード)にひも付けてデータベース化している。

Paykeのサービスを利用すると、ユーザは商品のバーコードをスキャンするだけで、商品情報や背景にあるストーリーを自らの言語に合わせて知ることが可能になる。バーコードを読み取って表示される情報は、各商品を開発しているメーカーが自ら登録し、メーカー向けの管理画面から編集・更新することが可能だ。

現在、300社ほどのメーカーがPaykeに商品データを登録しているが、まだまだデータの数は少ない。ユーザが商品バーコードをスキャンした際に、該当データがない場合、 ネットをクロールして商品情報を引っ張り、翻訳をかけて表示される。どの商品のバーコードがスキャンされたのかのログが残るため、メーカーは自分たちのどの商品がスキャンされているかを知ることができる。

以前、本誌にてPaykeを紹介した際と変わってきているのは、小売店での対応だ。小売店の定員も、すべての商品の情報に関して回答可能なわけではない。店舗によっては、スタッフがPaykeのアプリを入れたiPadを用いて、訪日観光客に商品について質問されたときに商品情報を伝えているという。

身近なバーコードが新しい情報のインフラになる−−スキャンするだけで商品情報が閲覧できる「Payke」が築くインバウンド消費のおもてなし

小売店向けにも管理画面が用意されており、自社ページへのアクセスデータの解析が可能となっている。店舗ページを閲覧しているアプリ利用者の国籍、 性別、年代などのマーケティングデータを閲覧できる。

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スタッフがiPadを持つ以外のアプローチも増加している。店舗によっては、一定間隔ごとに商品棚にタブレット端末を固定。来店した訪日観光客は、そのタブレット端末を用いて、商品データのスキャンが可能になっている。この方法であれば、人的なリソースもかからない。

さらに、新たなアプローチも生まれている。「SoftBank World 2016」では、PaykeとPepperの連携について発表された。Pepperが来店客に話しかけ、商品バーコードの読み取りを促す。バーコードを読み取ったPepperは、Paykeのデータベースにある情報を該当の言語で話してくれる。

銀座のドン・キホーテではすでに試験的に運用が始まっており、物珍しさもあって多くの観光客が商品データのスキャンを行っているとPayke代表取締役CEOの古田 奎輔氏は語る。同社は蓄積してきたデータを武器に、今後も様々なプレイヤーとの連携を図っていく予定だ。

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