排泄予知デバイス「DFree」のトリプル・ダブリュー・ジャパンが約5億円を調達——Foxconn(鴻海/富士康)らとも提携

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.7.4

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排泄予知ウエアラブルデバイス「DFree(ディーフリー)」を開発するトリプル・ダブリュー・ジャパンは4日、台湾の EMS(Electronics Manufacturing Service)最大手 Foxconn(鴻海/富士康)の日本における投資パートナーである 2020、iSGS インベストメントワークス大和企業投資みずほキャピタルSBI インベストメントリヴァンプからシリーズAラウンドで約4億円を資金調達したと発表した。あわせて、みずほ銀行日本政策金融公庫の両金融機関から、総額1億円の借入を行うことも明らかにした。

今回の調達は、昨年4月に実施したニッセイ・キャピタルとアイスタイルキャピタル(現 iSGS Investment Works)からの資金調達(調達額非開示)、今年2月に実施した NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ハックベンチャーズからの最大1.2億円の資金調達に続くものだ。

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トリプル・ダブリュー・ジャパンの創業は2015年2月(アメリカでの事業準備開始は2014年6月)。UC Berkeley に通っていた創業者の中西敦士氏が、Berkeley 市内での引越時に不意に失禁してしまったことをきっかけに、人類の排泄の問題を解決すべく事業を開始したスタートアップだ。

同社のデバイス DFree は、超音波を使って腸内の便の大きさを計測、人が便意を感じるようになる仙骨が刺激されるまでの時間を予測してくれるので、ユーザはあわててトイレを探す必要がなく、便失禁の心配から解放される。健常者はもとより、パーキンソン病患者、身体障害者や高齢者など容易にトイレにたどりつけない人々が、おむつの利用をする必要が無くなり、人間が自身の尊厳を取り戻すのを助ける。

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昨年、READYFOR 上で実施した DFree のクラウドファンディング・キャンペーンでは、1,200万円以上を調達してプロジェクト成立。昨年末に実施された、スタートアップ向けのプロダクト・ブラッシュアップ・プログラム「HEART CATCH」では、DFree のデザインやマーケティングを推敲していることを明らかにしていた。

今回の調達により、2020 とは Foxconn を通じた開発ノウハウのサポートとアジア各国への展開、iSGS とは iSGS の主要 LP であるアイスタイルを通じた日本内外への健康・美容領域への進出、SBI インベストメントとは Forbes Japan が2015年に発表した〝日本版 Midas List〟 で2015年実績の1位に評価された加藤由紀子氏が担当する形で、加藤氏が得意とするヘルスケア・バイオ・ICT 領域への投資経験から支援を仰ぐ。リヴァンプは、DFree の介護施設向けの B2B サービスのトライアルや販売体制の構築で協力する。

調達とあわせ、人材面での増強も発表された。6月には、音楽を奏でる iPad ケースを開発するスタートアップ「Miselu」出身の九頭龍雄一郎氏がトリプル・ダブリュー・ジャパンの CTO に就任、メカトロニクスの権威である川田章弘氏がエグゼクティブ技術者のポジションに就任するなど、ヤマハの技術部門などで腕を鳴らしたエンジニア陣がチーム入りし、DFree の開発と生産体制の整備を急ぐ。

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2015年12月に開催された「HEART CATCH」でピッチする中西氏

中西氏によれば、DFree は現在、デバイスを装着しての運用試験を国内4箇所の介護施設で実施しており、9月までには20箇所まで増やしたいとのこと。今秋をメドに試験フェーズから販売フェーズに移行し、来年からは有料老人ホームを通じた B2B2C のサービスも始める計画だ。

排泄が問題となる高齢化社会は先進国共通の問題であるため海外からの関心も高く、韓国 SBS(ソウル放送)のニュースサイトでは、中西氏が DFree 開発に至った背景も事細かく取り上げられている。このほか、オーストラリア、中国、台湾、フランスなどからも問い合わせがあるようで、適切なローカルパートナーさえ見つかれば、需要が見えている分だけ DFree の国際展開は比較的スムーズに行えそうだ。

トリプル・ダブリュー・ジャパンは現在、社員7名とインターン3名で構成されているが、製造業に強い日本の素地を生かしてエンジニアの採用強化を図り、ハードウェア・エンジニアが大企業からスタートアップに出て来やすくなる環境作りにも貢献していきたい、としている。

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