カンボジアで高原リゾートと全寮制大学を開発・運営するvKirirom、日本やシンガポールのエンジェル投資家15人から290万ドルを調達

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.7.11

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カンボジア・キリロム工科大学で学ぶ学生たち。一番右に立つのが、vKirirom 代表の猪塚武氏。
Image credit: vKirirom

シンガポール法人で、カンボジアで高原リゾートや全寮制大学を開発・運営する vKirirom は9日、日本やシンガポールのエンジェル投資家15人から290万ドルを調達したことを明らかにした。このエンジェルラウンドに参加した、投資家の名前は明らかにされていない。

vKirirom は、シリアルアントレプレナーの猪塚武氏が2014年2月に設立した社会起業系のスタートアップ。猪塚氏は、自身が創業したウェブアクセス解析プラットフォーム「Visionalist」の運営会社デジタルフォレストを2009年にNTTコミュニケーションズに売却後、4年間のシンガポール生活を経て、2014年1月に家族と共にカンボジアに移住。首都プノンペン郊外のキリロム国立公園の一部をカンボジア政府から借り受け、高原リゾートと全寮制大学を融合した街を開発している。

特に興味深いのは、リゾートの敷地内に作られた KIT(Kirirom Institute of Technology=キリロム工科大学)という全寮制大学で、この大学では、スポンサー企業の協賛による奨学金をもらいながら、地元カンボジアの学生がプログラミングや英語を学んでいる。収入面や将来性などの点から可能性の高い IT 産業にエンジニアやビジネスリーダーを輩出することで、この国の教育レベルや生活レベルを向上させることが狙いだ。開学してまもないので成果が出るまでには少し時間がかかるだろうが、将来には、KIT の卒業生がシリコンバレーや、シリコンバレーから戻ったカンボジアで、ユニコーンに成長するようなスタートアップを作る日もやってくるだろう。

(企業が KIT をスポンサードする動機は、中国の IT 大手企業などが将来の人材確保のために自ら大学を開設したり、スポンサードしたりしているケースと似ているかもしれない。)

vKirirom Pine Resort の開発や KIT の開学には並々ならぬ労力がかかったそうで、幹線道路からリゾートへと続く道路の整地のほか、自家発電設備の設置、最寄りの街から電波を中継してのブロードバンド回線の確保など、猪塚氏自身もカンボジア国外から物資を調達するなどして環境整備に邁進してきた。今後は大学のイニシアティブを中心に、観光客や社員旅行、別荘地としての需要も取り込めるようリゾート開発を進める方針で、その資金確保のために、投資型クラウドファンディングやシリーズAラウンドの可能性を模索していきたいとのことだ。

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vKirirom Pine Resort 内の宿泊用バンガロー (Image credit: vKirirom)

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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