これまでのゲームも「ポケGO化」できる「SWAMP」、運営の3bitterがユナイテッド、アドウェイズから資金調達

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.8.3

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写真左:3bitterの佐久間諒氏、右はユナイテッド取締役の手嶋浩己氏

beacon技術でリアルな場所にアプリ連携できる領域を作り出す「SWAMP」を提供する3bitterは8月3日、ユナイテッド、アドウェイズを割当先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額や割当株式の比率などの詳細は非公開。同社は調達資金で販売体制およびハード・ソフトの強化を進めるとしている。

3bitterの創業は2014年12月。創業者で代表取締役の佐久間諒氏はアフィリエイトのファンコミュニケーションズなどでメディア・アプリのアドネットワーク立ち上げに携わった人物。彼らはbeaconインフラの「SWAMP」および必要なビーコンの製造販売までを手掛けている。

ポケモンGOに「近い」体験性を生み出せる技術

さて、正直このリリースだけで彼らの可能性を理解するのは非常に難しいのではないだろうか。

iBeaconーーこの名称を覚えているだろうか?Appleが2013年のiOS7から導入したBLE(Bluetooth Low Energy ※省電力Bluetooth技術)対応のサービスで、発信側端末と受信側端末がこれに対応しているとプッシュ通知などのアクションが可能となる。iOSデフォルトのアプリ「Passbook」はiBeaconに対応しており、特定店舗などに近づくとクーポン配信されたりもした。

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Image Credit : iBeacon対応の発信側端末例のEstimote、ウェブサイトから

一方でそもそもユーザーがBluetoothをオフにしていたらアウト、スマホ端末側の対応有無、突然のプッシュ通知への嫌悪感など課題も大きく、結局尻つぼみになってしまった感は強い。

なので、私も話をよく聞くまでは失礼ながら「今さら感」を感じてしまったのだが、この「SWAMP」というサービスはよく考えられていた。誤解を恐れずに言い切ってしまえば、今まさにタイムリーな位置ゲーム「ポケモンGO」に「近い体験性」のものも提供可能になるかもしれない。

「SWAMP」の仕組みと可能性

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ではもう少し具体的に「SWAMP」の仕組みについて解説しよう。「SWAMP」は電波を発信するBeacon端末とそれに対応したアプリを開発するためのSDKで構成されている。

このBeaconと専用SDKで開発したアプリは呼応していて、特定店舗などにBeaconを設置すれば、そこに行ってアプリを立ち上げると特別なアクションを促すことができる。

ここまでは従来のBeacon技術と変わりはない。面白いのはこれを使った彼らの考え方だ。

SWAMPは主にゲームデベロッパーをサービスターゲットにしており、特定店舗内にゲームができる領域を設置し、そこに遊びに来たゲームユーザーに対して特定のクエストやアイテムなどを提供するような利用方法を想定している。

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Image Credit : ポケモンGOウェブサイトから

そう、ポケモンGOのポケストップやジムのようなものを特定箇所に「作る」ことができるのだ。

現在、3bitterは全国のネットカフェやカラオケ店など350箇所にBeaconを設置済みということで、取り急ぎはここをスポットとして活用できる他、順次拡大するということだった。Beacon端末は同社が量産体制も確立していることから「1000円程度で提供可能」(佐久間氏)なのだそうだ。

「元々アドネットワークをやっていたことから、ネットで広告を出す先というのは飽和していることに気がついていました。そこで注目したのがリアルの場所です。ゲームをやっているユーザーにとってはすれ違いやその特定の場所に行くことでメリットを感じ易く、またGPSなどと違って特定の場所に誘導できるので場所側のメリットも明確になります」(佐久間氏)。

位置とゲームの組み合わせのインパクトはポケモンGOで証明された。強いキャラクターIPと位置は相当に期待ができる。佐久間氏に次はモンストGOなのかパズドラGOなのか、はたまた北斗の拳GOなのか尋ねたところ、交渉中の話はあるものの、明確に何かは答えられないという回答だった。

もちろんポケモンGOとの違いもある。一番大きいのは公共の場所を使いづらい、ということだ。GPSと組み合わせることで広範囲のスポット設置も可能ということだったが、場所側のメリットを見出せるかどうかが課題になる。場合によっては勝手に設置されたスポットが迷惑になることもあるからだ。

料金体系は設置したBeacon領域に対してDAU(デイリーアクティブユーザー)ベースでの課金となる。スポット側への誘導にビジネスを持ってきている点も、ポケモンGOがマクドナルドと提携した例に似ている。

幾つかの相違点はあるものの、SDKを使うことで現状のアプリ、ゲームを「ポケGO化」できる可能性は非常に夢が膨らむ。「SWAMP」が具体的に取り組むゲームが何になるのか、彼らの次の動きもまたお伝えしたい。

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