CAMPFIREが定額課金の「ファンクラブ」を開始へ、クラウドファンディングを超える事業モデルとは

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2016.8.1

クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」は8月1日、これまでのクラウドファンディングの仕組みに加え、定額での継続課金を可能にするサブスクリプションモデル「CAMPFIREファンクラブ」(以下、ファンクラブ)を8月初旬に開始すると発表した。利用は無料で、別途必要となる決済手数料については後日公開するとしている。

15時30分追記:公開された詳細情報をみるとCAMPFIRE側の手数料は決済手数料なども含めて支援総額の10%となっている。

ファンクラブはその名の通り、アーティストなどの創作活動をしている人物が、継続的に支援者らに月額課金を実施することができるサービス。オンラインサロンやファンクラブ限定イベント、定期的にリターンとなる商品を提供するなど、使い方については制限は特にない。

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また従来のクラウドファンディング方式も併用することが可能なので、特定のプロジェクトについては「All-in(達成に関わらず支援額を受け取る)」や「All or Nothing(未達の場合は不成立)」などの手法も利用できる。この場合は手数料として成約額の5%(決済手数料は含まれる)が別途かかることになる。

開始までの間、同社ではこちらのフォームから利用希望者の申し込みを受け付ける。公序良俗に反するものなど、同社が判断する基準を満たしたものが掲載されることになるとしている。

なお、現在このようなプロジェクトが掲載されている。

手数料によらないビジネスモデル構築への布石

さて、CAMPFIREが手数料を海外のkickstarterやIndiegogoなどと同等の5%に落としたことは記憶に新しいだろう。

クラウドファンディングの原点に戻るーーCAMPFIREが手数料を5%に引下げ、代表は家入一真氏が復帰

その後も掲載数は順調に伸び始め、ファンディングが成立しなくても資金を受け取れる「All-in」の仕組みなどを導入するなど、CAMPFIREは急速にその力を取り戻しつつある。

代表取締役の家入一真氏に現在の流通額などについて訪ねたところ、具体的な金額についてはまだ非公開としつつも、案件数、流通総額ともに数倍のペースで伸びていると答えてくれている。やはり他のプラットフォームに比較して手数料が10%以上違うとさすがに効果は大きかったようだ。

一方で気になるのがビジネスだ。現状、国内クラウドファンディングはざっと見たところ、トップの主要プレーヤーたちで月間数千万円から1億円程度の流通額(成立したものベースの目視)を確保しているような状況だ。年間で数百億円規模の海外プレーヤーとはやはり同じビジネスモデルでは厳しい。

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ここから得られる手数料ではなく、プロジェクトそのものに注目

ここで今回彼らが注目したのがクラウドファンディングに集まる「プロジェクトそのもの」だった。

つまり、クラウドファンディングというプラットフォームでモノを作ることのできる可能性をたくさん集め、そこから新しい事業を模索する、というのが家入氏らの考え方なのだ。まだ公開できる段階にないということなので詳細はまた後日になるのだが、例えば音楽関連のプロジェクトはそのまま別のビジネスに展開できる可能性がある。そこを探っていくということらしい。

海外にはPatronのように定額課金できるタレントプラットフォームもあるし、国内にもSynapseのようなオンラインサロンサービスはあるが、手数料モデルでないという点で異なっているのだろう。

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移転したCAMPFIREのオフィス。現在25名ほどのチームに成長している。

家入氏はインターネットで小さな力を集め、そこで得られるモノが人々の生活を豊かにすると信じてきた人物だ。クラウドファンディングは形式こそ彼の思い描く理想に近いものの、まだ完成系ではないのかもしれない。今、彼はこのサービスについてどう思っているのか。

メッセージを貰ったので最後にそのまま全文を掲載しておきたい。

インターネットが普及したからこそ出来るようになったこと、を僕はよく考えます。インターネットが普及したからこそ出来るようになったこと。それは、誰しもが小さくても声をあげられるようになったということです。

それは、インターネットによって、あらゆる構造や手続きが民主化されたということ。今まで一部の人たちや組織が独占していたり守られていたものが、一般の僕らでも気軽に使えたり参入できるようになったということです。

クラウドファンディングは資金集めを民主化した仕組みです。

誰でも声を上げることができる。資金や仲間を集めることができる。もちろんサクセスしないこともあります。

ですが、重要なのは「誰でも声をあげられる」ということなんです。

この資金集めを民主化した仕組みは素晴らしいと信じて、僕らはクラウドファンディングのプラットフォーマーとして5年間やってきました。

ただ、その中で課題も見えてきました。

僕らが素晴らしいと信じるものが普及するかどうかはまた別の問題です。

もっと気軽にみんなが使えるものにしていくために、そして僕らは次のステップに行くために、クラウドファンディングの枠を超えていかなければならない。

今回のファンクラブ機能もそのひとつです。

従来のクラウドファンディングが一過性で終わるものだとすれば、ファンクラブ機能は持続的に応援や支援を募り続けられるものです。

個人が個人を応援する仕組み、そして個人が小さくても声をあげられる仕組みとして僕らはクラウドファンディングの枠を超え、CAMPFIREを進化させていきます。

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