クラウドキャストが、電通やイードと共同で中小企業・個人事業主向け資金繰り自動化プラットフォーム「Staple Pulse」をローンチ

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経費精算アプリ「bizNote for 弥生オンライン」や「Staple(ステイプル)」を提供するクラウドキャストは15日、電通イードが運営する中小企業向けビジネスポータル「HANJO HANJO」上で、キャッシュフロー管理を自動化するプラットフォーム「Staple Pulse(ステイプル・パルス)」をローンチした。デスクトップ環境からの利用を想定しており、現時点でスマートフォンからの閲覧には最適化されていない。ユーザは、収入や支出を入力することで、先々のキャッシュフローを事前に見極め、必要な対策を講じることができる。

中小企業白書などの資料によると、中小企業や個人事業主の存続率は、創業から2年後には当初全体数の50%を切るまでに大きく下落する。よい顧客が居て、よいプロダクトやサービスを提供できていて、単月では黒字化できているのにもかかわらず、企業や事業主が倒産・廃業する理由の多くは、経営者がキャッシュフローを管理できていないことが原因だ。ある統計によれば、日本にある中小企業350万社のうち約3分の2は会計ソフトを使っていないとされ、これらの企業では、システマティックにショート(資金枯渇)を事前に予見することが難しい。

クラウドキャストでは、このような問題を解決すべく、HANJO HANJO と提携し Staple Pulse をローンチさせた。今回 HANJO HANJO のユーザに提供されるのは Staple Pulse の簡易機能版だが、今後、クラウドキャスト独自でも Staple Pulse のフル機能版を提供する予定。将来的には、各種会計ソフトや金融系の各種ウェブサービスとも連携させ、ウェブスクレイピングや XML 連携などで入出金情報を自動取得できるようにし、手入力を不要にすることも検討している。

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Staple Pulse のダッシュボード画面

クラウドキャストは、中小企業向けに「経費精算サービス Staple for 弥生」(中小企業向け)をリリースしているが、「Staple」をミドルセグメント向け、「Staple Pulse」をスモールセグメント向けと位置付け、既存の会計ソフトが行き着いていない層にリーチし、経費精算から会計までの一連の業務効率化に寄与したいとしている。Staple Pulse は無料で提供されるが、クラウドキャストでは、ユーザが預かるデータを個社特定しない統計処理を施した上で活用し、他サービスの開発やマネタイズにつなげたい考え。売上や利益は出ているのにキャッシュフローに問題のある、いわば、金融機関にとって絶好の融資先候補の傾向分析などに威力を発揮できるだろう。

クラウドキャストは現在、東京・外苑前のメインオフィスと大手町のフィンテック・スタートアップハブ「FINOLAB」の2カ所を拠点に活動しているが、Staple Pulse のローンチを機に、金融サービス各社との協業が増えることを見据え、近日中にもオフィス機能を FINOLAB に集約することを明らかにしている。

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