攻めるランサーズ、次の一手は合弁会社設立ーーセガネットワークスと「クロシード デジタル」新設

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.8.1

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クラウドソーシング事業を展開するランサーズは8月1日、セガゲームス セガネットワークス カンパニー(以下、セガネットワークス)とデジタルマーケティング支援を目的とした合弁会社「クロシード デジタル」を新設したと発表した。両社の出資比率はランサーズが20%でセガネットワークスが80%となっている。

資本金は5000万円で、代表取締役にはセガネットワークスのカンパニーCOOを務める岩城農氏が就任し、ランサーズからは取締役COOの足立和久氏が取締役として参加する。

クロシードデジタルはセガネットワークスが提供していたゲーム事業者向けの相互送集客サービス「Noah Pass(ノアパス)」で保有する月間1200万人のユーザーデータと、ランサーズが提供するコンテンツマーケティングプラットフォーム「Quant」を組み合わせることで新たなデジタルマーケティングサービスを提供する。同社は約1年で10億円の売上を見込んでいる。

合弁の意図は?ランサーズの拡大戦略とは

さて、クラウドソーシング事業をオープンなプラットフォーム形式から特化型、特にコンテンツマーケティング関連に拡大させつつあったランサーズに新たな動きがあった。コンテンツマーケティングのQuantについては前回書いたこちらの記事を確認して欲しい。

ランサーズ次の成長戦略はなんと「特化型クラウドソーシング」ーー新サービス「Quant」でコンテンツマーケ市場に本格参入

複雑化するデジタルマーケティングの細かい解説はさておき、ざっくりと言えばNoah Passのネットワーク(様々な種類のゲームにバナーなどを掲出し、相互に集客・送客することでゲーム利用を促進する広告ネットワークのようなもの。現時点で135社、784タイトルが参加している)で接触している1200万人のユーザーの行動データをQuantに食べさせることでより正確なデジタルマーケティングを実現しよう、というのがこのスキームの内容だ。

Quantは膨大なデータを元に、作成したコンテンツ、例えばゲームの攻略法だったりキャラクターコンテンツなどを対象となるユーザーにマッチングさせる。新たにクロシード デジタルとして新たにゲーム媒体「Expi」も立ち上げるので、データ(Noah Pass)、コンテンツ管理(Quant)、メディアの三位一体で、ゲーム事業者を中心にサービス提供を開始することになる。本件について足立氏はこのように説明している。

「そもそもゲーム向けの広告メニューや(露出させる広告の)在庫量が限られてしまっていて、同じユーザーに何度も同じ広告が当たってしまう、という課題がありました。ここをNoah Passのデータと、Quantのコンテンツマーケティングで適切なユーザーに対して情報を提供することで、特にライトなユーザー層へのリーチ拡大を支援したいと考えています」(足立氏)。

Quant管理画面

ランサーズはクラウドソーシングでコンテンツを大量に制作、管理することができる特化型事業としてQuantを立ち上げた。今回のスキームはQuantにとって必要なユーザーデータは大量にあるし、ゲーム・ビジネスという大きく回っている市場が相手になるので、広告投下の効果さえ出ればクライアントは買うことになるだろう。

コンテンツの生産能力はクラウドソーシングがあるので伸びしろも大きい。単なる提携ではなく、合弁会社まで作ってチャレンジした背景はこのような「固い」見通しがあったからと考えられる。

ランサーズ代表取締役、秋好陽介氏は今回の合弁設立についてこのように話してくれた。

「きっかけはセガネットワークスさんがNoah Passのアセットを拡大してビジネスを模索される中で、ランサーズのコンテンツマーケティング事業を評価してもらったところから話が始まりました。しかもポテンシャルが非常に高い内容になることから法人を新設することにしたのです。ランサーズとしても初めての試みですが、ナショナルクライアントのマーケティングニーズは1社で対応しきれないほどのトレンドを感じてますので、両社の強みを生かした規模感のある取り組みにできればと思っています」(秋好氏)。

クラウドソーシングというビジネスはどこに向かい、どこまで拡大するのだろうか。

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