中国のインターネットサービス大手LeEco(楽視)、動画配信で業界最大手のNetflixとの協業に合意か

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Netflix は長らくにわたって中国市場への参入を試みながら、中国のコンテンツ規制の網をくぐれずにいたが、その様相は変わるかもしれない。

中国最大のインターネット企業の一つ LeEco(楽視)は火曜日(8月2日)、Netflix との重要な協力関係の計画があることを示唆した。詳細は年内に発表される見込みだ。LeEco の共同創業者で副会長の Liu Hong(劉弘)氏は、北京で開催されたイベントでこの協力関係について言及した。

LeEco は、北米進出の経営戦略を明らかにするアメリカでのイベントを2ヶ月にわたって遅らせており、その最終期限は9月に設定されている。LeEco はアメリカ本部とするため、カリフォルニア州サンタクララにある建物(編注:元 Yahoo の建物)を最近購入した

Netflix のニュースがもたらされたのは、LeEco がアメリカの家電会社 Vizio を20億ドルで買収してから一週間後のことだ。安定的に製品を使ってくれるユーザを確保できることが Vizio 買収に至った理由の一つであり、Netflix も Vizio 同様に、そのような価値を提供できるだろう。

しばしば中国版 Netflix の異名で呼ばれる LeEco だが、同社は Netflix よりも複雑な会社である(そして、おそらく Netflix と比較されることを好まないだろう)。LeEco は、スマートフォン向けのストリーミングサービス以外にも、スマートTV やコネクティッドカーにまで、そのサービス分野を拡大してきた。

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Netflix はアジア諸国へと積極的に進出する一方で、中国の厳しいコンテンツ規制環境が、中国への直接的な市場参入を妨げてきた。Netflix は日本での先行ローンチしているが、9月には、韓国、シンガポール、香港、台湾を含むアジア地域でのサービスローンチを発表した。Netflix が直面する問題の一つが、中国のテレビ番組が配信日前に全シーズン分のエピソードを予め政府の検閲にかけなければならない点だ。番組内容が不適切な性表現を含んでいたり、政府の理想に反する内容が含まれいたりする場合は、編集されるか配信が禁止される。

LeEco との協業により、Netflix は長年望んでいた中国でのチャンネル開設に漕ぎつけることができるかもしれない。Netflix は、過去に Alibaba(阿里巴巴)との協力も噂されたことがあるが、Alibaba は既に自らの月額制ストリーミングサービス Tmall Box Office(天猫票房)をローンチさせている。

アメリカ企業にとっては、中国市場へ単一で参入するよりも、中国企業とのハイレベルな協力関係を構築すべきとのプレッシャーが高まりつつある。中国でのローカリゼーションを模索するアメリカ企業に新しいベンチマークをもたらした Uber は、ついに敗北を認め、すべての中国部門を競合である Didi Chuxing(滴滴出行)に売却した。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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