消息筋の情報を伝える複数の報道によると、インド最大のモバイルコマースプラットフォーム「Paytm」を運営する One97 Communications は、新たな資金調達で3億〜3.5億ドルを調達すべく、多くの投資家と協議中にあるという。
ニューデリー近郊ノイダ地区を拠点とする Paytm は、台湾の MediaTek や Foxconn(鴻海/富士康)に加え、シンガポールの Temasek や GIC と協議しているとのことだ。Live Mint の報道によれば、同社の従来からの投資家である Alibaba(阿里巴巴)や SAIF も、この調達ラウンドに参加する見込みだという。
同じく Live Mint の報道によれば、この調達で One97 のバリュエーションは50億ドルに上ると見られる。
Paytm の創業者 Vijay Shekhar Sharma 氏には質問のメールを送っているが、本稿発出までに回答は得られていない。
2000年に創業した One97 は、デジタル商品やサービスを提供する、代表的なモバイルインターネット企業に育った。現在、事業者向けのモバイル広告、マーケティング、決済も提供している。同社によれば、登録ユーザは1億人を超えるとされ、Sapphire Venture や Silicon Valley Bank も株主に含まれるほか、タタグループ総帥である有名実業家 Ratan Tata 氏からも出資を受けている。
昨年9月、中国のEコマース巨人 Alibaba Group(阿里巴巴集団)と、その関連会社である Ant Financial Services(螞蟻金融)は、One97 に対し6.8億ドルに上る戦略的出資を実施した。Paytm は、ユーザ一人あたり10万インドルピー(約15万円相当)を上限とする普通預金/当座預金口座を開設できる決済銀行を立ち上げる最終局面にある。しかしながら、Paytem は、資金を融資したり、クレジットカードを発行したりすることはできない。
Paytm の主要な競合である MobiKwik は最近、南アフリカの決済企業 N1 UEPS Technologies から4,000万ドルを資金調達している。
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