スマートホームセキュリティ「Secual」取締役CFOに池本勝紀氏が就任、ファンドやM&A経験をファイナンスやアライアンスに活かす

SHARE:
Secual 取締役CFOに就任した池本勝紀氏
Secual 取締役CFOに就任した池本勝紀氏

スマートホームセキュリティサービスを開発するSecualに、8月1日付で池本 勝紀氏が取締役CFOに就任した。

池本勝紀氏は、東京理科大学大学院工学研究科にて機械工学専攻後、メリルリンチ証券にてトレーダーの業務を経験。その後、ファンドマネージャーやM&Aのコンサルティング業務等を経験してきた人物だ。

池本氏は、投資銀行や経営戦略コンサルティングファームでの経験を活かして、これまでに同社代表取締役の青柳和洋氏が担当していた事業提携、ファイナンスを担うことになる。

「自分の時間の使い方について考えなおしていた」と語る池本氏。本業でCVCへのコンサルティングや、プライベートでウェアラブルデバイスを開発するスタートアップの手伝いをする中で、スタートアップへの挑戦を考えるようになっていった。

池本氏「アプリケーションを開発するスタートアップや創薬スタートアップなど、様々なベンチャーと話をしました。特定の領域に絞っていたわけではありませんが、お会いしたスタートアップの中でも、青柳さんの不思議な人柄に惹かれてSecualに入ることを決意しました」

強く前に出るタイプのリーダーシップとは異なるという青柳氏のスタイルに惹かれたのが大きな理由だったという池本氏。機械工学のバックボーンがあり、プロダクトの「Secual」のデザインに惹かれたことも理由のひとつとなった。

池本氏が新たなフィールドとして選んだIoT領域は、年々注目度が増している。「モノとインターネットがつながるというのは、不連続で不可逆な変化」と池本氏は考えているという。

池本氏「暮らしのベースとなるのは衣食住。この領域が、テクノロジーによって便利に、暮らしやすくなっていきます。中でも、住の領域においてIoTプロダクトは、人々の価値観も行動も変えるものだと考えています」

とIoT領域で起こるイノベーションへの期待を語った。

青柳氏は、IoTに関連するスタートアップは、事業を軌道に乗せるまでに時間がかかり、大型の調達が必要になるタイミングがソフトウェアやアプリケーションのスタートアップと比較して早い、と語る。池本氏が力を発揮するのはこの領域だ。

池本氏「ハードウェアスタートアップにかぎらず、メーカーにとって重要なことは、創り、造り、売ること。この3つをバランスさせ、早く回転させることが求められます。回転を早めるためにはキャッシュが必要になり、ファイナンスしなければなりません」

スタートアップの中でも、特にファイナンスやガバナンスが重要になるハードウェアスタートアップにおいて、池本氏は資金調達やガバナンス体制の構築を担当する。過去の経験を活かして、「アライアンスを含めて貢献したい」と池本氏は語る。

資金調達やガバナンスに関して池本氏に任せることになった青柳氏は、様々な打ち手の速度を早め、国内だけでなくグローバル展開にも力を入れていく。ますますスピードアップしていくスタートアップにおいて、組織を大人にしていくような役割も池本氏が担う。

「嫌われ役としての活動もそのうち必要になるかもしれませんね」と経験豊富な同氏は、スタートアップでの新たな自身の役割について楽しそうに語ってくれた。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する