Identifor の CEO である Cuong Do 氏は、自閉症患者が生活を営み働き続けられるよう支援する、新たな人工知能を備えたバーチャルアシスタントを iOS および Android のアプリストアで来月から公開することを発表した。
Do 氏は、サンフランシスコの Palace Hotel で9月12日から2日間開かれた Intelligent Assistants Conference に10数名いたスピーカーの一人だった。
Companion というそのアプリには、Abby というバーチャルアシスタントが備わっている。
Abby は個人の興味やニーズを認識したり、自閉症患者を一日中サポートするようにできており、人工知能を活用してユーザの習慣を学習し、仕事や学校、社会生活が順調にいくようサポートする。
Abby は手助けしてくれるお父さんやお母さん、看護助手や他の人が周りにいない時にあなたのパーソナルアシスタントになります。私たちは失われた人生を豊かな人生に変えられると信じていますし、変えるつもりです。というのも、私の息子の生活も Abby に頼っているからです。(Do 氏)
Do 氏の息子は12年前に自閉症と診断された。自分たちの息子をサポートするために、彼と彼の夫人が発話の発達や教育、他の分野についても勉強するようになったのはこの頃だった。二人は、仕事探しとその維持を支援することが、自分の息子を含め自閉症患者を手助けする一番の方法だとすぐに理解した。非営利団体の Autism Speaks によると、自閉症患者のおよそ80%が無職であり、これが喫緊の優先課題である。
この時期に何ができて何ができないのかわかりました。十代が大人になり社会に貢献できるようになるために必要な支援が最も不足していると考え、その解決に手を差し伸べるために Identifor を立ち上げました。(Do 氏)
十代や大人のための Companion アプリに加えて、ウェブおよびアプリストアで入手できる Identifor ゲームは、各ゲームプレイヤーの能力を見出すことに焦点を当てている。
ゲームの中で見出された能力や短所はダッシュボードに表示される。例えば Do 氏の息子の場合、音楽はかなり得意だが、言語には改善の余地がある。
ダッシュボードは Howard Gardner 博士の多重知性理論(人は IQ スコアというたった一つの指標で測ることはできず、空間的知能から論理的数学的知能までにわたる8つの知能を持っている、とする理論)に基づいて作られている。
Companion アプリにはスケジュールタブ、ホームタブ、お薬タブがあり、金銭管理、天気、日課といった毎日の関心事も扱うことができる。
Do 氏は典型的な起業家ではない。Identifor は実際には彼の副業である。彼の本業は Samsung の企業戦略部門シニア VP であり、以前は製薬会社の Merck で5億米ドルの投資資金を管理していた。
昼間は4億米ドルのグループの運営をし、夜中と週末にはこの小さなスタートアップの立ち上げ。ここ数年はこれに全力を注いでいます。(Do 氏)
Identifor は自分が欲しいから作った、と彼は言う。Abby や彼に尋ねてみると、Identifor は必要な人にいつも無料で提供している、と答える。
私たちは営利目的の C 株式会社とその系列の非営利団体を立ち上げ、出費を厭わないという親御さんからは年会費として95米ドルを有難く頂戴しています。その出資金は、私たちの非営利団体を通して障害を抱えていたりあるいは必要な人皆が Companion を無料で使えるようにする資金にしていく予定です。できるだけ多くの人の助けになりたいのです。(Do 氏)
Companion のローンチの一環として、ペース大学の特別支援学生に今学期から使ってもらう予定だ、と Do 氏は語った。
現在までのところ、Identifor は Do 氏が私費を投じて運営している。製品開発が完了する頃には Identifor は求人活動を開始し、5億米ドルの投資資金を管理していた CEO は資金調達を開始する予定だ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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