朝型人間に変身させてくれる香港発のスマート目覚まし時計「Kello」が、Kickstarterでクラウドファンディングを開始

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携帯電話を目覚まし時計代わりにすると便利だが、ベッドルームにスクリーンのついたデバイスを置けば睡眠の質は低下する

香港を拠点とするハードウェアスタートアップ Kello の CEO で共同設立者の Antoine Markarian 氏は言う。

たくさんの人が、(中略)ベッドルームに携帯電話を置かない方がいいと思い始めています。

Antoine 氏は睡眠に関する葛藤を理解している。Kello の設立前、Antoine 氏はさまざまな睡眠両方を試し、その結果を Excel のスプレッドシートにまとめた。規則的な睡眠と不規則な睡眠、さらには就寝前のカフェインの量を変えた調査を行った。

ライフスタイルの問題だと思いました。薬や(中略)ベッドのセンサーを増やすことで解決できる問題ではありません。(Antoine 氏)

去る4月、Antoine 氏は弟の Greg Markarian 氏、フランスに本社を置く音楽配信会社 Deezer 時代の同僚 Fred Germain 氏と共に Kello を設立して睡眠の改善に専念することにした。同社のゴールはシンプルだ。睡眠の質を改善することで人々に爽やかな朝を取り戻してもらうことである。

快適な睡眠のためのデバイスやサービスを作りたいと思っています。睡眠薬の代わりとなりたいのです。(Antoine 氏)

一歩ずつ前進

Photo credit: Kello.
Photo credit: Kello.

Kello の代名詞である目覚まし時計の本質はあらゆる意味で基本に立ち返ることだ。携帯電話も、うたた寝も、寝る前の Netflix もない世界。その域に達するため、Kello は徐々に睡眠に関する習慣を変えるさまざまなプログラムをユーザに提供している。例えば、1時間早く起きられるようになりたい場合、Kello が毎日数分アラーム時刻を早めてくれるので1ヶ月後には目標を達成できる。

時差のある場所に旅行する場合も、Kello が体内時計の周期を微調整して時差ボケを和らげてくれる。睡眠プログラムのセットアップ用コンパニオンアプリで出発前と到着後のタイムゾーンを入力すると、それに応じて睡眠プログラムを作ってくれる。

少し疲れているのでうたた寝したい場合、1週間あたりのうたた寝の回数を割り当てます。(中略)回数を上回った場合、目覚まし時計は動き方を変えます。(Antoine 氏)

ユーザは「うたた寝回数」を設定し、それを超えた場合は嫌なアラームや Kello のアラームボタンを1回ではなく2回押さなければ停止しないなどペナルティを決めておく。強制的なものではなく、うたた寝をしないためのささやかな抵抗だ。

シンプルに形をもたせる

睡眠プログラムとうたた寝回数はもとより、Kello の目覚まし時計は IoT 商品ならではの機能を備えている。Samsung の SmartThings Hub や Philips の Hue といったスマートホームデバイスとも併用可能だ。コーヒーを淹れたりブラインドを閉じたりといった朝の習慣を自動化してくれる。目覚まし時計が Spotify や Deezer から音楽を流してくれるので、好きな曲で起きられる。

それでもなお、Kello 最大の魅力は形として存在していることだ。

デバイスを作るのが最善の方法です。携帯電話のアプリではなく、(中略)形として存在するリマインダーなのです。

Kello は携帯電話がなくても使えます。なので、ベッドルームに携帯電話は不要です。(Antoine 氏)

Photo credit: Kello.
Photo credit: Kello.

習慣化することは難しい

難しく考えることではない。Kello の機能は明確に記録された調査に基づくものがほとんどだが、困難なのはユーザが本当にライフスタイルを変えられるのかということだ。特に、エクササイズやカフェイン摂取量といった睡眠の質に影響する多くの要素は Kello の手の届く範囲ではない。

夜10時にコーヒーを飲まないようにするのが Kello の役目ではありません。体内時計の調整に焦点を絞っています。(Antoine 氏)

さらに、Kello は携帯電話ほど持ち運びが便利ではないので頻繁に旅行する人にとっては不便かもしれない。しかし、同社は今後も睡眠関連デバイスの展開を予定しており、すでに進行中の商品もある。

Kello は本日(9月20日)アメリカ東部標準時間の午後8時に Kickstarter でキャンペーンを開始し、5万米ドルのクラウドファンディングを目標に89米ドルでスタートしている。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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