途上国の人々にテクノロジーを届けるコペルニク、日本のスタートアップ向けにインドネシアでのソーシャルビジネス展開を支援

ゲストライター by ゲストライター on 2016.9.8

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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Image credit: Wassha

技術のイノベーションは世界中で起きており、数え切れないほどの人々の生活を改善している。クリーンパワーを目的とした太陽光発電、可搬型の浄水器、有害なガスを出す石油ランプの代替としての LEDなどは良い例だ。

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しかし、新興国経済では今もなお、このようなネットワークにつながるラストマイルが不足しているために、基本的な生活の快適性を享受できないでいる人々は多い。もし、ネットワークにつながれば、情報のライフラインは、そのような役に立つプロダクトの利点をさらによいものにしてくれるだろう。前出したようなテクノロジーへの訓練の不足も、普及を妨げる原因となっている。

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バリ島ウブドにあるコペルニクのテクノロジーキオスク 撮影:池田将(2016年1月)

非政府組織の Kopernik(コペルニク)は、手頃かつ生活に必要なテクノロジーをテストし、必要な国々に届ける活動をしている。そのようなテクノロジーが、ポジティブな提供をもたらすまでには十分普及していない現実に刺激を受けた、2人の元国連職員によって2010年に設立された。

Kopernik は世界中で異なる活動を行っており、各地の組織は、テクノロジーの供給を通じて貧困を軽減するという共通のミッションを実現すべく、それぞれの役割を担っている。名前の由来ともなったポーランドの科学者コペルニクスは、人々の世界に対する見方を変えた。Kopernik はコペルニクスのように、社会進展の触媒になろうとしている。

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バリ島ウブドにあるコペルニクのテクノロジーキオスク 撮影:池田将(2016年1月)

Kopernik は、主要な4つの法人から構成されている。アメリカにある 501(c)(3) で示される NPO(非営利組織、公益法人)、日本の NPO(社団法人)、インドネシアの NPO、日本にある営利目的の株式会社だ。世界的な金融グループの JP Morgan は、アメリカの Kopernik NPO の「Tools for Growth」プロジェクトを通じて、テクノロジーキオスク(上写真参照)に支援をしている

ところで、JP Morgan は、Kopernik とは無関係だが、別の NPO の ETIC.(エティック)支援している。日本のスタートアップハブの一つとして知られる東京都渋谷区に本拠を置く ETIC. は、新しいビジネスのローンチまたは既存ビジネスの経営を続けたい17歳を超える若い日本の人々をトレーニングしている。

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本稿で取り上げる、今秋東京で開かれる3つのうちの初回のワークショップは、インドネシアの現状を改善すべく、日本の中小企業のテクノロジープロデューサーを魅了した。これは、JP Morgan からの資金的支援を受けて行われる、コペルニク・ジャパンの活動の一部だ。

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JP Morgan 日本支社のマネージングディレクター Alison Birch 氏 撮影:“Tex” Pomeroy

JP Morgan 日本支社のマネージングディレクターで人材担当責任者の Alison Birch 氏は、同社を代表してこのプログラムの設立総会で挨拶し、このプログラムに関わる誰もが、恩恵に預かる準備ができている国々に、シンプルで簡単に使えるテクノロジーを届けることで成長できるだろうと述べた。

特に日本などの技術立国で特に顕著だが、長いつきあいの客に支えられてきた技術中小企業は、スタートアップになろうとする傾向がある。一方で、BOP 市場(世界で多数を占める低所得者層市場)では、環境や防災などの分野で改善が求められている。

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Kopernik の CEO 中村俊裕氏  撮影:コペルニク 天花寺宏美氏

Kopernik の CEO 中村俊裕氏は Birch 氏の話を受けて、自社の製品を世界中に普及させたい日本の技術企業に、このプログラムへの参加を勧めた。それは、次のような方法にも象徴されている。

持続性を実現するためには、食べ物を与えるのではなく、生活に必要なツールをの使い方を、必要としている人々に教えるのです。

長い目でみれば、よりよい生活を実現する方法を必要としている人からは、恩返しをしてもらえることになる。Kopernik が提言するアプローチは、困窮に苦しむ人々が威厳と自尊心を保ちつつ、関係するすべての人や組織に「Win-Win」となる状況をもたらしてくれる。

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撮影:コペルニク 天花寺宏美氏

このワークショップに集まったのは、農業でソーシャルビジネスを始めようとするスタートアップや、森林火災の予防に IoT センサーを活用しようとするスタートアップなど。火山が点在するインドネシアで、惨事から生じる被害を抑えるデバイスやサービスを提供する企業も参加していた。

さらには、リサイクルの強化で新たにムダなものを作らない、インドネシアなどでの物流に適用可能な特許技術を持った企業も参加していた。今後のワークショップは、数年後に日本から海外に移転可能なソリューションを絞り込む目的で、今後数カ月にわたって開催される予定だ。

ゲストライター

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