最優秀賞は SIM 仮想化ソリューションの「Simgo」が獲得、B Dash Camp 2016 Fall ファイナル

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.10.18

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札幌で開催中の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2016 Fall in Sapporo」のピッチアリーナには100社の応募から書類先行を通過した24社のスタートアップが選考をくぐり抜けて壇上に上がり、そこからファイナリストとして6社が選ばれた。彼らの最終プレゼンテーションおよび質疑応答の一部をご紹介する。(見出しはサービス名/社名)

Gatebox/ウィンクル

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※ウィンクルについては現在開発中のプロダクトが非公開のため、プレゼンテーションの内容は非公開となっている。こちらにはこれまでの取材で公開されている情報を記載しておく。

2次元のキャラクターをホログラム状態でボックス内に表示し、コミュニケーションできるホログラム・コミュニケーション・ロボットが「Gatebox」だ。今年1月にはインキュベイトファンド、プライマルキャピタル、iSGインベストメントワークスの3社から資金を調達し、年内の製品化を目指して開発を続けてきた。また、配信された動画が海外でヒットするなど世界中から注目も集まっている。

Gateboxは見た目こそ2次元キャラのいわゆる「オタク」的要素の強いプロダクトに見えるが、その実態はこの大量に散らばるデータを活用して、日々の生活をスマートに変化させる生活コントローラーの色合いが強い。同社製品については過去にも取材して書いている。

2次元キャラのホログラムと生活ができるロボット「Gatebox」開発元のウィンクル、9000万円を調達

Refcome/Combinator(準優勝)

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Refcomeはリファラル採用の「活性化」に着目したサービスで、採用ページの掲載などの一般的なATS(アプリカント・トラッキング・システム)の機能提供に加えて、運用効果測定に重きを置いた点が特徴になっている。

refcome

人事担当でない一般の社員や友人が紹介する場合に役立つよう、社内の募集ポジションを可視化したり、Slackなどで社内に紹介依頼を通知したりするなどのアイデアを盛り込んでいる。今月にはBEENEXT、ANRI、Draper Nexuの3社を引受先とする第三者割当増資の実施も発表している。公開後、3カ月でネット大手を含む約30社が導入。

國光氏:ビジネスモデルは?どれぐらいのアップサイドか

システム利用料とアップセル。利用社員数で費用をいただく。将来的にはタレントマネジメントなどのサービス追加でアップセルを目指す。市場規模は年内100社、来年500社、再来年に1000社を目指す。大企業は300社程度。アルバイトなどは社員紹介は実施されているが、効率化がまだされていない。そこが3000社ほどある。

江幡氏:大企業は社員紹介はあまり使わないんじゃ(その理由はどう考えている?)

社員満足度がダイレクトに関わっている。紹介したいかどうか。社員の年齢が高ければ高いほど流動性の課題もある。なので大企業に対しては新卒社員を対象にした施策を提案している。

ALIVE/Maverick

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韓国の通信会社 KT の社内ベンチャーから生まれた Maverick が、2015年9月にローンチした動画編集アプリ「Alive」。iPhone のカメラロールからビデオを選び、範囲やタイミングを指定して特殊効果やテキストなどをオーバーラップでき、モバイルビデオでの AR(拡張現実)を実現できる。一般的に、スマートデバイスでは大容量の高画質動画合成を扱うのは難しいが、Alive ではレンダリング作業をクラウド側に設置したエンジンで処理することにより、これを実現している。

Alive はこれまでに全世界で300万ダウンロードを達成。月間アクティブユーザは58万人いて、月毎のユーザ成長率は30%ほど。ユーザの50%はアメリカのティーンネイジャーで、30%はアジア諸国からのアクセスだ。無料アプリであるが、世界に4,000万人いる動画アーティストを対象に有料サービスを展開、ハリウッドの映画会社などとも提携して、コンテンツを作成するクリエイターと映像を購入したいユーザをつなぐコネクターとしての地位を確立したいとしている。

mobingi/Mobingi

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Mobingi は AWS(Amazon Web Services)に代表されるクラウドサービスの、運用やメンテナンス作業(いわゆる DevOps)を自動化するプラットフォーム。運用に特化したエンジニアを配置確保しにくい中小企業を対象に展開し、エンジニアらが開発作業などに注力しやすい環境を提供する。

mobingi

Open Network Lab 第9期から輩出され、その後10月から開始された 500 Startups の第15期プログラムに参加しており、アーキタイプ・ベンチャーズと Draper Nexus Ventures からも数千万円の資金を調達している。

NURVE/ナーブ

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VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)向けの配信プラットフォーム「NURVEクラウド」を提供するのがナーブだ。2013年頃からVR研究開発を進め、360°コンテンツやライブ配信などに対応したクラウドプラットフォームを完成させた。今年6月からは賃貸物件の内覧を仮想的に実施できる「VR賃貸」を提供開始している。

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VR賃貸は賃貸物件を所有する不動産事業者が写真などの情報をNURVEクラウドに登録することで、GearVRなどのVRゴーグルで360°に対応した物件情報を閲覧できるサービス。発行されるQRコードを専用アプリで読み込むことでユーザーはいつでも仮想体験を楽しむことができてさらにかかる時間短縮もできる。また対応する営業担当側はその内覧客がどこを見ているか別の端末で確認しながらナビゲートすることが可能となっている。今年5月にはジャフコから2.5億円の資金調達を実施した。今後は旅行やウェディングなど他業種に拡大する。

國光氏:ビジネスモデルや販売戦略について

サブスクリプションモデルで月額1万8000円と配信ベースの課金。例えば旅行先に設置する場合であればその拠点数分だけ支払うモデル。営業に対しては代理店方式。

江幡氏:月額1万8000円で素材まで撮影しているのか

そこは不動産事業者の負担。撮影アプリを用意していて、シータなどで撮影した素材を使って、管理会社が見に行くタイミングなどで撮影していったりしている。弊社は撮り方を教えるところまで。初回教育すればあとは大丈夫。

青柳氏:導入してくれる会社があるのか。今後のグロース戦略について

単なる内覧だけでなく、ステージング家具といってサイズが分からない場合を解消するための実際の生活感を見せる方法がある。しかしこれを実施しようとすればコストがかかるので、これらを仮想化して提供することで高単価を実現できる。

simgo/Simgo

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Simgo は、スマートフォン、タブレット、IoTデバイスなどに挿入可能な eSIM カードと、それを統合管理できるクラウドサービスを提供している。異なる国や都市へ移動したときにも SIM カードを差し替えることなく、複数の SIM カードをクラウド上で管理し、条件に沿って予め設定されたモバイルキャリア・APN(アクセスポイントネーム)・料金プランを動的にに選択することができ、ユーザはローミング料金を支払う必要がなくなる。

simgo

2014年8月にローンチ。複数の ODM 事業者と提携し現在100カ国以上でサービスが利用可能。eSIM を搭載した Wi-Fi ルーターは、50,000個分のデバイスの予約注文を受けており、向こう半年間の売上は400万ドルに達する見込み。今年2月には、ヤフー(Yahoo Japan)の社長を務めた井上雅博氏が、Simgo の役員に就任したことが発表されている。

Echelon Asia Summit 2016のピッチコンペティションで決勝ステージにも残っている。

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