BASEが15億円調達、20万人規模になったPAY ID拡大で「将来的な金融ビジネス成長」目指す

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.10.13

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一部報道にあった通り、コマースプラットフォームのBASEは10月13日、SBI インベストメント、SMBC ベ ンチャーキャピタル、サンエイトインベストメントを引受先とした第三者割当増資の実施を発表する。調達した資金は総額で15億円。株式比率や払込日などの詳細は非公開。調達した資金はコマースプラットフォームのBASEおよび決済プラットフォームのPAY.JPの事業拡大のための人員拡大に使われる。

BASEに出店する店舗数は30万店舗、また、代表取締役の鶴岡裕太氏によれば、購入者側のIDとなるPAY IDも20万人近くが利用している状況になっており、ここから生み出される流通総額についても「年間で3桁億円」程度の規模に順調に成長しているという。

競合となるSTORES.jpがプライベートカンパニーに戻って新たな展開を示したり、決済や融資、送金などの金融分野では海外Stripeの日本上陸に、オフラインのCoineyがオンライン参入、連続起業家、木村新司氏率いるAnyPayの登場など話題に事欠かない状態になっている。

大型資金を調達したBASEはこの戦国時代をどう攻めるのか。鶴岡氏に聞いた。(太字の質問は全て筆者。回答は全て鶴岡氏)

まずBASEについてですが、今後の拡大策について、そろそろ成長曲線がゆるくなってきてるんじゃないでしょうか?例えば法人営業を強化するなどの考えは

楽天を作るのかそれともそれとは違う何か別のものを作るのか、ということだと思ってます。これはSTORES.jpも同じだと思うんですけど、1年程前に分岐点があったと思うんです。

例えば億円単位の売上を上げる店舗を取りにいこうと思えば絶対に営業が必要だと思うんですけど、それよりも数十万円、数百万円という売上のショップをネットで自動的に取り続けた方が効率がいいし、そっち側にいったほうがいいよねっていうのがあるんですよね。あと、営業で取れるショップは営業でひっくり返せるので、そこは主戦場にしたくないです。

テクノロジーの会社だっていう観点からも、良いプロダクトを作って半自動的にエコシステムが作り上げられて、テクノロジーによってどれだけの人たちを幸せにできるかってことにチャレンジしたいです。

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モールアプリを提供しました。この狙いは?

次は(BASEとして)物を売るっていうところにチャレンジしたいなと思っていて。このままいくと数字はある程度見えてきたのでここについては予算や人をつぎ込んでいいかなと。(その答えが)モールなのかメディアなのかまだ明確には分からないですけれど、そっち側にも張りたいと思ってます。

BASEとして大量に集客するような方法ですか

楽天やアマゾンになろうとしてもダメだろうし、ウェブだと今まで1回しか買わなかった人を毎月2回、3回買ってもらうようにする方向性ですね。僕らが人を集めるっていうかショップさんが人を集めやすい仕組みを提供する。モールって普通、人をガンガンに集めるっていうイメージだと思うんですけどね。どちらかと言うと集めた後のショップがどういう方法で運営していくかっていうのを支えるのが、僕らが考えるモールと思ってます。

そういった現在の成長の上でLTVを伸ばす施策は納得がいくのですが、一方で出資してもらったメルカリなどはとにかく体を大きくすることで成功しています。こういう方向性は?

ガンガンに体を大きくすることも、チャレンジとしてはやってもいいと思っていますよ。直近でもあるショップで買った人が他のショップでも買うっていうのがすごくよくある状況になってきていているので、そういう意味でも試す価値はあると思ってます。

出資してくれたメルカリの山田進太郎さんはこの辺り、どういうアドバイスをくれているのですか?

進太郎さんはガンガンに攻めていけって言ってますね(笑。

BASEが淡々と伸びているっていう前提なんですけど、チャレンジ出来るならチャレンジしたほうがいいじゃんっていうのと、現状でこれぐらいのマーチャントを掴んでいるプラットフォームってそう多くないので。メルカリからのアドバイスについては、もちろんすごいクリティカルなデータは見ないですけれども、開示できる範囲で色々な情報交換をさせてもらっています。

特に役立ったアドバイスは?

組織ですね。会社の作り方がカラッと変わったので。ていうのもそもそも去年は組織がなかったので春ぐらいから変えて、レポートラインができたり、人を増やすことのできる会社になれたかなと。

僕の仕事もだいぶ変わりました。去年まではものづくりの「ど真ん中」にいたんですけど、でも今はもう少し上のほうに移動しました。なのである程度の裁量は全部現場に渡してコミュニケーションのハブにはならないようになってます。進太郎さんなんて、もうずっとアメリカにいっちゃってますからね。あそこまでにはまだなれないですけれど(笑。

会社としての優先順位は?

去年は採用のプライオリティーが低かったんですけれども、今は1番上になっていますね。後はメルカリの考え方が結構浸透していて、人が入ってきて彼らが働きやすい環境作ってなんぼのもんだよね、とか。そもそも僕が学生から会社をやってるっていうこともあって「へえ、採用が大事なのか」って。そういった意味では逆に吸収しやすかったとは思います。初めて見る外の会社がメルカリなんですよね。

共同創業者の家入一真さんとは最近は?

家入さんとは今でも週に3、4回会ってるんですけど、BASEというよりは(彼が今注力している)CAMPFIREの相談をされます(笑。

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金融分野の勝負について

今一番大切にしている数字は?

総額についてはもちろん重要視していて、直近で言うと年間の規模感も3桁億円の規模感になってきているので、早く次の桁にいきたいですね。

その次の桁にはメルカリがいます。経営者の判断としてああいったC2C分野にも拡大するという考えは?

やっぱり性質が全然違うものなんですよね。SMBと言われるような売っている人の文化も全然違いますし、買う人も全然違うんです。もちろんプロダクトとして真似できるところはあるんですけども。ただ、これは凄く難しい問題で、そもそもなんでこの事業をやっているのかと言うと、やはり価値の交換をどれだけ最適化できるかっていうのがテーマなんです。流通総額が極端に伸びればもちろんいいんですけど、会社のミッションとして直結するかって言うと考えてしまいます。

あと、SMBよりC2Cの方が市場性があるかって言われると、決してそういう風には考えてません。だって、楽天って十分大きいじゃないですか。

決済分野については短期融資(立て替え)や決済、送金などいくつか方向性が見えてきました。PAY.JPとして注力、注目しているのは?

やっぱりまずは決済かなと。PAY IDが使える場所については30万店舗、個人に紐づいたIDについてはもう20万人が利用できるようになっています。全体的にみるといいタイミングかなと思っていて、こういう状況を待ちわびていたので。

競合で気になる存在は?

いつの時代も競合には恵まれています(笑。

(AnyPayの)木村さんの所と思想が近いような気がしています。現金で取引していたことをインターネットでリプレイスするという方向性なので、将来的には送金というのも視野に入ってきますし、金融ビジネスに繋がっていくのではないかなと。

これまで過去3年間はどれだけマーチャントを増やせるかってことを考えてました。ショップを集めるBASEと購入者を集めるPAY.JPとチームも明確に分かれていますし、今度は購入者をどれだけ集められるかっていうフェーズに入ったと考えています。

ありがとうございました。

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