人工知能がホテルの訪日観光客対応問題を解消、チャットコンシェルジュ「Bebot」運営が資金調達

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.10.5

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ビースポーク代表取締役の綱川明美さん

ホテルに対して訪日外国人観光客向けのチャット型コンシェルジュサービス「Bebot」を提供するビースポークは10月5日、アーキタイプベンチャーズを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した金額、株式比率、払込日などの詳細は非公開。これにより、同社はインバウンド(訪日観光客)需要が見込まれる「Bebot」の開発強化、新規導入宿泊施設の開拓を進める。

ビースポークの設立は2015年10月。同社が提供するBebotはホテルなどの宿泊施設が利用できるチャット型のコンシェルジュサービス。外国人宿泊者が利用する場合、宿泊施設側では言語対応のできる人員を配置する必要があるが、コストや人手不足などの課題から対応が難しい場合がある。この課題を人工知能とチャット型のサービスで解消しようというのがBebotの狙いだ。

bebot-chat-concierge

Bebotを導入しているホテルにはサービス管理画面が提供され、チェックインした宿泊客向けにスマートフォンでアクセス可能な「チャットボット」が提供される。

「よくあるのが空いた時間ですよね。夕飯までに2時間ぐらいあるんだけれども何かできますかといった時にレコメンデーションが出てきたり、渋谷駅で迷ってるんだけれどもどう行ったらいいのか教えてくださいといった、基本的にはホテルのコンシェルジュが回答してくださるようなものを全部自動でやりますよといった感じです」(同社代表取締役の綱川明美さん)。

ちなみにチャットボットはホテル側が管理画面から発行するURLからアクセスすることができ、普段利用しているメッセージングツール(Facebook Messenger, LINE, WeChat)から人と会話するように「お腹が空いた」などと話しかければ回答してくれる。

bebot-features

では、このチャットボットの回答の源泉となるデータはどこから生まれてきているのだろうか?

その秘密が同社が運営するもう一つのサービス「LEVART」にあるのだそうだ。このサービスは訪日外国人向けに観光スポットなどの情報を提供しているのだが、ここがひとつのデータソースになっているのだという。また、綱川さんも頻繁にヒアリングに出向いてるそうだ。

「今でも2日に1回ぐらいですかね。ユーザーインタビューで旅人の方に日本で何したいですか?とかそういうことをたくさん聞いて回っているんです どういうことに困っているとかどういうものだったら使ってくれるとか。そういうのを全てリアルに拾って全部ロボットに流し込んでるんです」(綱川さん)。

こうやって集まったデータはコンシェルジュサービスだけでなく、ホテルの立地計画や設計、収益向上などにも役立てられる可能性があると語っていた。

LEVARTのANABAは訪日客向けに観光情報等を提供する

綱川さんは外資系の投資銀行やコンサルなどで働くかたわら、世界中を旅する「旅人」でもあったそうだ。各国をめぐる過程で、ふと自分自身が便利に使えるガイドブックを超えるようなサービスが欲しくなったという。

「私すごい一人で旅に行くんです。例えばヨハネスブルグとかカンボジアとか普通の女性の方では一人で行かないようなところも結構行っちゃって。そうすると当然友達いないじゃないですか。一人で出かけるのはちょっと怖そうだし、でもなんか近くでいいとこないかなってホテルのコンシェルジュに聞いたりしてて。ただ、いいとこ教えてもらうんだけれども食べ終わってふと周りを見渡すとカーネルおじさんみたいな人ばっかりだったり(笑。なのでこれは私が使いたいものだったんです。できることなら世界各国のホテルでこのサービスを自分が使いたいって」(綱川さん)。

彼女のやりたいことと、日本特有のインバウンド需要、それに「言語鎖国」とも表現すべきコミュニケーションの問題が彼女にチャンスをもたらした。綱川さんによれば、既に複数のホテルで試験導入が進んでいるそうで、ホテル側もこの解決方法については好意的に捉えているようだ。

後追いしてくる事業者も多そうだが、彼女曰く、エンジニアは全て言語堪能なチームで開発力もあるということだったので、すぐには追いつかれないのではということだった。

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