銀行口座を持たない人のためのブロックチェーン:フィリピンのCoins.phがシリーズAラウンドで500万米ドルを調達

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Image Credit: Coins.ph
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ブロックチェーンを使った金融サービスを提供するフィリピン拠点のスタートアップ Coins.ph は先週金曜(10月21日)、Quona Capital 傘下の Accion Frontier Inclusion Fund が主導するシリーズ A ラウンドで500万米ドルを調達したと発表した。

このラウンドでは、Innovation Endeavors、Pantera Capital、Digital Currency Group、Wavemaker Labs、Global Brain、BeeNext、Rebright Partners、Kickstart Ventures らも参加した。

同社にはその他にもシードステージの投資家としてフィリピンの電話会社 Globe Telecom 傘下の投資会社 Ideaspace Foundation や Smart Communications がいる。ただし両社はシリーズ A ラウンドには参加していない。

Coins.ph の共同設立者兼 CEO の Ron Hose 氏は公式声明にて、次のように述べた。

フィリピンでは銀行口座保有者より Facebook アカウント保有者の方が多いです。Facebook アカウントを取得するのと同じくらい簡単に金融サービスにアクセスしてもらいたいと考えています。

同社は今回調達した資金を、フィリピンや東南アジアでのサービス拡張のためにこれまで集めた資金と併せ活用していくという。

Coins.ph はモバイルファーストのプラットフォームで、ユーザは送金、料金支払い、さらには携帯電話アカウント用のクレジットやデータパッケージ購入などさまざまな銀行関連サービスが利用できる。

また、銀行、ラストワンマイルの配達を担う物流企業、質屋や送金サービス企業といった金融会社と提携して、フィリピン全土で2万2,000箇所の現金取扱ネットワークを構築している。

外国に出稼ぎに行った人からの送金が同社事業の大半を占めており、このプラットフォームは世界40ヶ国で利用できる。

International Data Corporation によると、2016年初頭においてフィリピンは世界で最も急速に成長しているモバイル市場だった。だからこそ Coins.ph は、銀行口座を持つ人より持たない人の方が多いこの国で銀行サービスを提供することができるのだ。

フィリピンで銀行口座を持つ人の割合はわずか31%、さらに国連貿易開発会議(UNCTAD)によると同国のクレジットカード保有率は3%にすぎない。

ブロックチェーン技術を使えば Western Union より安く送金ができるほか、銀行口座を気にせずに日常のサービスが受けられる。これまでに同社は50万ユーザを獲得したという。

Coins.ph の共同設立者兼 CTO の Runar Petursson 氏はこう述べた。

当社は今後数ヶ月かけて銀行、金融機関、小売店と新たな提携関係を構築し続けていく予定です。顧客は東南アジアにおいてこのクラスで最高の金融サービスを利用することができます。

同社はこの夏に行われた「The Open Vault」フィンテックアクセラレータプログラムに参加した企業の一社だ。

同社はタイでも事業を展開している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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