中国で数十億ドル規模の配車サービス競争が終焉を迎える中、新たに資金を求めて自転車シェアリング業界が頭角を現している。
北京を拠点とする自転車シェアリングスタートアップの Ofo(小黄車)は本日(10月10日)、13ヶ月前にオンラインサービスを開始して以来5回目の資金調達ラウンドとなる1億3,000万米ドルのシリーズ C ラウンドを発表した。最新ラウンドには、2週間前に発表された配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)に加え、中国のユニコーン Xiaomi(小米)、Shunwei Capital(=順為資本、Xiaomi=小米の設立者 Lei Jun=雷軍氏が共同設立したベンチャーキャピタル会社)とロシアの億万長者 Yuri Milner 氏といった新鋭投資家が参加している。
Ofo は中国で成長を見せる自転車シェアリング業界の一角をなし、ユーザは好きな場所で自転車を停めたりアプリを使って近くで使える自転車を検索したりすることができる。大学生を対象としているが、それもすぐに変化を遂げるかもしれない。
Ofo のスポークスマンは Tech in Asia に次のように話した。
現在、都市部で展開する計画はありますが、それと今回の資金調達ラウンドは関係ありません。
そうすると8月に1,000万米ドルを調達した Mobike(摩拜単車)と競合することになる。Mobike の設立者は、Ofo 最大の出資元である Didi の宿敵、Uber China の元幹部 David Wang(王偉)氏だ。
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まず投資、利益はあとから
中国で急速に成長を見せる自転車シェアリングビジネスは、昨年収束した配車サービス競争を彷彿させる。中国の配車サービス2社 Kuaidi Dache(快的打車)と Didi Chuxing(前 Didi Dache=滴滴打車)が互いを潰し合おうと多額の補助金を費やしたのだ。合併後も支配権をめぐる戦いは続いたが、それは Uber と Didi の間で起こったことだ。
Mobike と Ofo が争えば同じ轍を踏みかねない。配車サービス同様、自転車シェアリングでユーザに格安料金を提供できるか否かは投資家の資金にかかっている。例えば、Mobike のサービスではデポジット44.76米ドルと30分毎に15セントが課せられる。さらには、配車サービスとは異なりドックレスの自転車シェアリング業界は破壊行為や盗難といったかつてない課題に取り組まねばならない。
今回のラウンドで得た資金は Ofo チームの拡充とハードウェアの改良に活用される予定だ。同社プレスリリースによると、Ofo は自転車のアップグレードと Didi の配車サービスアプリに自社サービスを組み込む計画で Xiaomi と提携している。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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