Drone Japanが、ドローンで田畑を見える化する「DJアグリサービス」と「ドローン米プロジェクト」を発表【ゲスト寄稿】

本稿は、ゲームやサービスのグロースコンサルティングを行う、わたあめの佐渡栄仁氏による寄稿である。


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Drone Japan 代表取締役社長の勝俣喜一朗氏

Drone Japan は11日、稲作を効率的かつ低価格で実施できるドローンサービス「DJアグリサービス」を発表した。ハードウェア、ソフトウェア、データ解析、農業など多方面にわたる専門家の力を集結させて構築したこのサービスでは、空からのドローンを活用したリモートセンシングにより、農場の生育状況を画像解析・可視化し、大幅に農家の作物の生産コストを下げつつ、無農薬農法のサポートが可能な「精密農業」を提供する。

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ドローンを使って自動で農業のコアとなる発育データなどを収集し、専門家によるデータ分析を行った後、農家向けにレポーティングサービスを提供する。特殊なセンサー、スペクトルカメラ、自律飛行を活用することで、今まででは実現できなかった正確な農業用のデータを収集することができるのが強み。

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ドローンが撮影した画像をもとに解析している様子

「DJアグリサービス」の構築に関わった専門家には、東京大学大学院農学生命科学研究科の海津裕准教授や郭威事業構想修士(データ処理を担当)、ドローンハードウェア各社にオープンソースコードによるソフトウェア開発支援を行う Japan Drones の Randy Mackay 氏(ドローンを担当)、北海道旭川市・市川農場の市川範之氏らが含まれる。

サービス提供価格は、栽培期間ごとに1ヘクタールあたり1回4,500円からで、ドローン本体・カメラ・データセンシング・データ解析などが全て含まれている。サービス開始は2017年4月を予定。

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ドローン米

ドローン産業は2020年までに1,000億円の市場規模まで発展し、農業はその中のシェア50%を占めると言われている。

会見で Drone Japan 代表取締役社長の勝俣喜一朗氏は、農業向けにサービスを提供するだけでなく、ドローンを活用して高付加価値の米を販売し、農業アプリを開発する事業者にデータを提供することで、2020年に30億円の売上を目指していることを明らかにした。

また、ドローン社会共創コンソーシアムの立ち上げなどでも知られる千葉功太郎氏は、Drone Japan にエンジェル投資家として関わっており、「ドローンのようなテクノロジーが第一次産業の問題を解決していくことに未来を感じている」とコメントを寄せた。

Drone Japan では、多岐にわたる農業の中でも米という分野に特化することで、日本国内の米作りのさまざまな問題をテクノロジーで解決するとともに、グローバルな米市場に向けて日本のドローン農業を展開していきたいとしている。

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