SalesforceのLiveMessageを使えば、Facebook Messenger、LINE、SMS、WeChat(微信)を使って顧客と担当者が話せるようになる

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Above: Salesforce LiveMessage Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
SalesforceのLiveMessage.Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

Dreamforce のオープニング基調講演にて、Salesforce のチーフエグゼクティブ Marc Benioff 氏は一連の製品やアップグレードを紹介し、その多くについて詳しく説明を行った。 だが、複数のメッセージングアプリ間のコミュニケーションをまとめるアプリ LiveMessage についてはさらりと流すだけであった。本日(10月6日)、企業向けに作られたこの新しいツールを少しばかり知ることができた。

Salesforce が先月買収した HeyWire の技術から作られたこのアプリは、サービス担当者と顧客が従来よりも関わりやすくなる機会を提供してくれる。企業側が顧客にいてほしいと望んでいる場所ではなく、顧客が現在いる場所でのコミュニケーションが可能になる。HeyWire の CEO である Meredith Flynn-Ripley 氏は、企業買収を発表した際、ブログに次のように書いている。

フリーダイヤルができて以来この分野ではこれまでにない大きな革命がもたらされているところです。モバイルメッセージングは、サービスやサポートのコミュニケーション手段として新しく、かつ好まれるプラットフォームとなっているからです。

Above: Salesforce LiveMessage lets customers interact with bots and frees up human reps to respond to more complex issues. Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
SalesforceのLiveMessageを活用すれば顧客はボットと会話することができ、人間の担当者は複雑な対応から解放されるようになる.Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

Salesforce によると、この製品は現在はベータ版の開発中で、Facebook Messenger をサポートする今冬の後半には正式に利用できるようになるという。最終的には外国の顧客向けに WeChat や Line にも開放される。サービスの機能としては、会話がどのようにしてマネージャーに転送されたかを管理者が監視できたり、マクロやレコメンドされたナレッジツールの取り込みなどがある。Salesforce では、企業はどのようなチャネルであれ全方位のビジョンを手にできるとコメントしている。

そして、LiveMessage は Salesforce の Einstein でも動作する。

LiveMessage は基本的にボットのプラットフォームなので企業は複雑な問題に対処するサービス担当者の負担を軽減できる。担当者はこのアプリを通して Salesforce のデータにアクセスしつつ、複数の顧客と同時に話ができる。また、すべてのコミュニケーション手段を1つのアプリに統合しており、テキストメッセージや Facebook Messaging、WhatsApp、Snapchat その他サービスを問わない。Salesforce はそれにより顧客満足度と担当者の生産性向上を図りたいとしている。

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LiveMessage をデベロッパー向けに公開して各社のボットを組み込むことができるようにするかどうかについては明らかにされていない。しかしエンドユーザが新たなアプリをダウンロードする必要がないのは重要な点だ。ユーザはただ Facebook Messenger、WeChat、Line を使って企業にフィードバックを送ればよい。サービス担当者はそこからの処理も1つのアプリでコントロールすることができる。LiveMessage 内のボットはテキストベースの IVR サービスである。

Salesforce の Service Cloud 部門シニア VP でゼネラルマネージャーの Mike Milburn 氏はこう述べている。

携帯電話には豊富で強力なメッセージが詰まっています。私たちは写真や動画を送り合っていますが、その動きは早く、これを生活というコンテキストの中で行っています。私たちはこうしたメッセージの送信が大好きなのです。

Salesforce のプラットフォームでは日々14億件ものライブリクエストがなされており、「顧客サービスでの成功の高み」に到達しようとしているという。

彼は、「サービス」の定義が日々いかにして人々によって変化してきているかについて触れた。会話というものは電話や e メールからソーシャルメディアやアプリへ、そして今ではメッセージングへと移り変わり、800億件ものメッセージが毎日送られている。Milburn 氏はこう述べている。

顧客はあるとあらゆるチャネルを使いたがっています。関係が緊密なチャネルからそうでないものまでです。

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今回の発表は、FacebookMicrosoftOracle がメッセージングアプリ上で顧客と会話ができるチャットボットを作れるツールをローンチした後になされた。Microsoft のチーフエグゼクティブ Satya Nadella 氏はここ数ヶ月、プラットフォームとしての会話、とりわけ人と会話するボットが新たなアプリとして効果的に機能するにはどうすべきかについてたびたび述べている。

Salesforce はここ1年で他にいくつもサービスをローンチしている。Field Service Lightning といった新しいツール、双方向のビデオチャット用 SOS SDK を公開、またオムニチャネルスーパーバイザーもローンチしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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