月間1000本配信の料理動画「kurashiru」運営がYJキャピタル、gumi V、ユナイテッド等から約5億円を調達

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料理動画のレシピメディア「kurashiru」を展開する dely は11月28日、YJキャピタルおよび gumi ventures が運営するファンドおよびユナイテッド、フリークアウト取締役の佐藤裕介氏とその他個人を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した資金は総額約5億円で払込日や株式比率などの詳細は非公開。

同社では今回の調達資金で、モバイル動画や店頭での動画コンテンツ活用による広告の効果測定などを推進するとし、今後の海外展開などについても視野に入れているとしている。

運営する dely の創業は2014年4月。同年9月には ANRI より出資を受け、創業当初のサービスであるフードデリバリ事業を進めてきた。しかし同事業の先行きが厳しいと判断し、今年2月頃に現在の事業の原型となる動画キュレーションメディアにピボット。5月時点で月間500本ほどの動画コンテンツ制作体制を整えた。

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以前の取材で語っている通り、同社代表取締役の堀江裕介氏の目指す先にあるのはクックパッドだ。

「分散型動画としてレシピコンテンツは注目を集めましたが、どうしても派手でバズりやすい要素を盛り込んだものが多くなってしまいます。その一方で、ユーザーが本当に欲しい情報は普通のカレーだったりシチューだったりするわけです。当初からクックパッドのようなストックコンテンツモデルをやろうと思っていたので、月間で1000本ほどになった配信コンテンツのうち、分散型として流入動線用にソーシャルなどに流しているのは90本ぐらいにすぎません」(堀江氏)。

堀江氏によれば従業員で60名ほどになった体制のほとんどを動画コンテンツ制作に投入しており、カロリー計算やレシピ記述などかなり細かい部分にまで時間をかけるようにしているという。

であれば気になるのがクックパッドが本気で動画をやり始めたらどうなるのか?という点だ。当然堀江氏もそこは色々なシミュレーションをしている。彼の話を総合すると、現時点でクックパッドの制作体制は月間で30本程度と少なく、そもそもテキストと画像中心のコンテンツフォーマットに動画は合わないのではないかという指摘はある程度納得感があった。

「楽天レシピが始まった際は楽天ポイントというインセンティブでユーザーを惹きつけようという戦略でした。しかし今回やってきている波はコンテンツフォーマットの変化です。モバイル通信の環境も改善するなか、動画がどんどん競合優位性を持ち始めています」(堀江氏)。

もちろんクックパッドが全く別の新規事業として同様のプロジェクトを立ち上げればまた違う展開になるかもしれないが、現在同社は別の課題を抱えているので、彼らのリプレイスを狙うスタートアップにとって今は絶好のチャンスになるのだろう。

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