資金枯渇のニュースを受け、アメリカ進出を果たしたばかりのLeEco(楽視)の株価が急落——時価総額は、1週間で20億ドル目減り

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Photo credit: Pixabay

中国の LeEco(楽視)のために鳴り響いていた音楽は、もう終わろうとしているのだろうか? このインターネットとスマートガジェット企業は、ストリーミング動画再生に始まり、自走車からスマートフォンまであらゆるものを手がける企業となり、過去数年にわたって拡大と投資の旋風だった。しかし、アメリカで初めてハードウェア製品の販売を開始しようとしている今、同社は中国で大幅な株価下落を経験し、それは一週間に満たない間に約20億ドルもの企業価値を下げたことになる。

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この株価下落については、中国内外報道機関から LeEco が資金枯渇に直面しているのではないかとの報道がなされていた。報道によれば、創業者の Jia Yueting(賈躍亭) 氏が日曜日に従業員に書いたとされる手紙の中で、同社が急速かつ過度に拡大を急ぎすぎたと語ったとされる。現在、同社は多くのことに手を出し、そのペースを維持するための資金を調達する上で問題に直面している。彼は、ある中国人の重役に稀に見る振る舞いをし、謝罪として年間15セントの給与を受け入れることを志願している。

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今年4月、フル電気自動車 LeSee を北京で披露した Jia Yueting(賈躍亭)氏(左)
Photo credit: LeEco

Jia 氏の手紙が、同社の株価下落の原因というわけではない。むしろ、それは、同社の LeEco が拡大を図る上で顕著になりつつある、同社の資金調達とサプライチェーンが抱える問題が具体化したからだ。しばらく前から続いていた同社の経営アプローチに対する疑問は、結果的に株価の下落につながった。今年初めには、LeEco は1株あたり8ドル以上で取引されていたが、今月の急落によって、年を通して下落を見せることとなり、株価は1株あたり5.5ドルにまで落ち込んだ。

変化を起こすチャンス

LeEco にとって幸運なのは状況を変えるのに都合がよい2つの機会が、急速なスピードで近づいていることだ。

まず一つは、水曜日(11月9日)、LeEco がアメリカでフラッシュセールを始めることだ。アメリカでの強力な露出は、LeEco の将来が有望であると投資家を確信させられるかもしれない。

二つ目には、金曜日(11月11日)、中国は光棍節(独身の日)にオンラインショッピングの休日を祝う。LeEco は、Tmall(天猫)や JD(京東商城)などの B2C サイトと同様、自社の LeMall(楽視商城)を通じて EC のサービスを提供する。もし、これらあらゆるチャネルを横断して、(特に、競合と比べ)劇的な売上金額を記録することができれば、株価を正しい方向へと押し戻すこともできるかもしれない。

長期的に言えば、LeEco の資金枯渇は、今でも心配のタネだ。同社は自走車プロジェクトに巨額を投資したが、ここにきて、消費者への提供の準備がまもなく整うようだ。その開発を続けられるだけの資金を LeEco は調達できるだろうか? それは LeEco の投資家たちが今心配している問題の一つで、独身の日の強力な露出・売上だけでは、この問題を解決することはできなさそうだ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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