〝出会いの伝道師〟が次に挑むのは、好みを伝えるだけで恋人候補とデートをセットしてくれるマッチングサービス「恋人プランナー」

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.11.8

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LIP が Instagram でのハッシュタグ・キャンペーン #2015bestnine を展開し、この流れを汲んだマッチングアプリ「nine」をローンチしてから、はや9ヶ月。人にとっての最適な出会いとは何かを科学し続けるこのスタートアップは、次の展開に向けて走り始めていた。

LIP は7日、プランナーに恋人を紹介してもらえるサービス「恋人プランナー(略称:恋プラ)」を正式ローンチした。ウェブアプリとしてサービス提供され、PC でもモバイル( iOS / Android )でもウェブブラウザで利用可能。8月から招待制で提供されていたサービスが完全一般公開となる。

世に出回っている出会い系アプリを見てみると、互いの好みに基づいてアルゴリズム・ベースで相手がレコメンドされるもの、一定のタイミングでつながれた相手同士を結ぶものなど、いくつかのバリエーションが提供されてきたが、初めてつながった二人が、どうやって会話の糸口を見つけ、実際に顔を合わせて出会うところまで漕ぎ着けるかは、長年の課題だった。見合いであれば仲人が、結婚相談所であればコーディネイターがその役目を引き受けてきたわけだが、一般的な出会い系アプリにはそのような機能が備わっていなかったからだ(もっとも、このプロセスを人任せにせず楽しむという人も多いのかもしれない)。

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恋プラでは、プランナーと呼ばれる女性に、男性ユーザ・女性ユーザの双方が好みのタイプなどを伝えると、相性の良さそうな相手をそのプランナーが提案してくれる。双方が「会ってみようか」ということになれば、カフェでの初デートまでプランナーがセッティングしてくれるという優れものだ。

テレビにラジオに引っ張りだこで、もはや恋愛の伝道師の異名を持つ、LIP 共同創業者で取締役の関口舞氏は、恋プラの開発に至った理由を次のように語ってくれた。

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関口舞氏

出会い系アプリだと、恋活とか言って、10人とか20人とかと同時に連絡をとりあったりしますね。でも、みんな、そういうことをやりたいわけではない。気に入った相手を探すのに必要な労力が半端無い。積極的にアプローチしないといけないから。

一方、結婚相談所だと30万〜50万円とかかかってしまうし、彼氏や彼女になるプロセスをすっ飛ばして、いきなり結婚なんてケースが多い。出会ってから、半年以内に婚約するかどうかを決めないといけない、という話もよく聞く。(関口氏)

恋プラは、起業家である関口氏自らのニーズから生まれたとサービスと言っても過言ではないだろう。起業家は何かと忙しい。時としては、恋愛そっちのけで、新しいビジネスを作ったり前進させたりしなければならない。そんな自分を理解してくれるライクマインドな相手に時間や手間をかけずに出会いたい、という贅沢な悩みを解決策を形にしたものだ。

ポイントとなるのは、プランナーという人がマッチングをしてくれること。特に、相手を紹介する際の紹介文がキモになるのだという。ただ、LIP が売りにしてきた人工知能を全く使わないというのではなく、相性のよさそうな相手を探してくれるプロセスには、段階的に人工知能の機能を取り入れていくそうだ。

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松村有祐氏

ユーザとのインターフェースの部分(=プランナー)は、あくまで人がやるというところをメインにしたい。(中略)

今だと、プランナーが相性のよさそうな男性ユーザと女性ユーザのマッチングを1件つくるのに10分ほどかかっている。ただ、これだとコストがペイしない。ここからがウチの技術の見せ所で、マッチングを1分でできるところまで、もっていきたい。(LIP 代表取締役 松村有祐氏)

恋プラの料金体系は、マッチングが成立し初デートのセッティングができた段階で料金(男女ユーザ双方から1回5,400円)が発生する、完全成功報酬型だ。つまり、単純に相性の合いそうな相手を紹介し続けてもらっている間は無料。定量的な数値は無いのだが、既存の出会い系アプリに比べると、マッチング率や会話が始まる率が圧倒的に違うのだとか。ただ、LIP にとって問題なのは、マッチング一回にかかるプランナーの人的コストで、人工知能を使ってこのプロセスをいかに効率化できるかが、サービスの黒字転換と継続運営のカギとなるようだ。

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もう一つのポイントは、ユーザの安心度や使いやすさを高めるために、ユーザは恋プラにサインアップ後、友人に紹介文を書いてもらわないと、相手が紹介されない仕様となっている点だ。これまでの招待制運用期間中の動向からは、男女ユーザ共に、友人たちは喜んで紹介文を書いてくれているそうで、リファラル採用と同じような効果があるのに加え、紹介文を書いた友人が恋プラのユーザになるというネットワーク効果も期待でき、一石二鳥なのだそうだ。

人が恋人候補を紹介してくれるアプリとしては、アメリカには The Dating Ring などがあるが、日本には今のところ競合がいないと思われる。

また、今回の恋プラのリリースとあわせ、LIP では、エンジェル投資家14人から資金調達したことを明らかにしている。このラウンドに参加したエンジェル投資家の名前や金額については開示されていない。

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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