ソラコム SIM が米国 Amazon で一枚から買えるように、世界展開の本格開始と新たなデータ蓄積・可視化「Harvest」発表

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ソラコムは11月30日、Internet of Things(以下、IoT )向けのモバイル通信・管理プラットフォーム「SORACOM Air」の米国での本格的な展開開始を発表した。米国に拠点のある事業者はデータ通信 SIM カードを1枚単位で購入することが可能で、従来国内で提供されてきた SORACOM Air および提供される全サービスを米国内を始め世界で120の国と地域で利用できる。

米国国内では AT&T と T-Mobile のネットワーク( 2Gと3G )が利用でき、初期費用は SIM カード1枚につき5ドル( Amazon では送料が別途必要)。データ通信料は 1MB あたり0.08ドルからとなっており、ボリュームディスカウントなどの設定がある。

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海外で展開する ioT デバイスを国内からコントロール可能

なお、従来通信開始前にかかっていた基本料金は1年間まで無料となり、データ通信開始後も0.06ドル(一カ月連続使用で1.8ドル)と日本国内で設定されていた料金よりも安価になっている。同社代表取締役の玉川憲氏によれば、データ通信開始前の基本料金を無料にすることで機器にSIMを挿したまま在庫するような時のリスクを軽減する狙いがあるという。

これらの料金設定は全て国内のものとグローバル対応のもので違っており並行運用されることになる。(米国で購入したグローバル版を国内で利用することも可能だが、その場合はグローバル料金体系が適用される)

同社では今後、グローバル対応 SIM を順次世界各国で販売する予定だという。

データ可視化サービス「Harvest」

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ソラコムは今日、もう一つの新サービス「Harvest」も公開している。収穫という意味の同サービスが提供するのは通信データの蓄積と可視化で、従来 SORACOM プラットフォーム上で利用される IoT 機器類のデータ通信状況は各社がサーバーやダッシュボードを構築して独自に作成する必要があった。

これを簡易な状態ですぐに可能にしたのが Harvest だ。(ちなみにソラコムは Air に始まり、Beam Canal とオプションサービス名をABC順に付けており、今回は「H」の出番となった)

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ユーザーコンソールから Harvest を利用設定して IoT デバイスから指定のエンドポイントに対してデータを送信することでデバイスに設置されている各種センサーから位置情報や温度といったそれぞれのデータを SORACOM 上に蓄積し、グラフとして可視化してくれる。

保存されたデータは受信時間や SIM の ID と一緒に記録されるため、どこのデバイスからいつデータが飛んできているかすぐに分かる。これらのデータは40日間保存され、データ送信プロトコルは HTTP、 TCP、UDP に対応している。

利用には SIM 1枚あたり1日5円の利用料金が必要で、1日2000回の書き込みを超える場合は1リクエストあたり0.004円が追加で従量課金されることになる。

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