英日言語学習アプリ「POLYGLOTS」「MONDO」を開発するポリグロッツ、米個人投資家らから数千万円を調達——「HandShake機能」を追加

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ポリグロッツ創業者兼代表取締役 山口隼也氏

日本人向け英語学習アプリの「POLYGLOTS」、外国人向け日本語学習アプリの「MONDO」を開発するポリグロッツは20日、シリーズAラウンドで資金調達を実施したことを発表した。金額は公表されていないが数千万円台の後半と見られる。このラウンドは、IT 企業向けサプライチェーンマネージメント大手 Synnex(NYSE:SNX)の創業者 Robert T. Huang 氏がリードし、Huang 氏を含むアメリカ拠点の4人の個人投資家が出資に参加した。Huang 氏は起業家育成に積極的な人物で、彼の母校である九州大学には彼の名前を冠したアントレプレナーシップ・センターが設置されている。今回のラウンドは、ポリグロッツにとって、2015年3月および12月にそれぞれ実施した、East Ventures およびヒトメディア(East Ventures からは約3,500万円を調達、合計調達金額は不明)からのシードラウンド調達に続くものだ。

ポリグロッツは2014年に「POLYGLOTS」、2015年7月に「MONDO」をそれぞれローンチしている。BBC などニュースメディアとの提携により、時事ネタを使った言語学習ができるのが特長だ。近年、「MONDO」ではフィリピンや中国などからの日本語学習ユーザが増えており、ポリグロッツは今回調達した資金を使って、特に東南アジア地域を中心にプロモーションを強化したいとしている。

MONDO(上)とPOLYGLOTS(下)
MONDO(上)とPOLYGLOTS(下)

マネタイゼーションの切り札——HandShake 機能と、リアル言語学習体験の提供

ポリグロッツでは半年ほど前から、マネタイゼーションにつながる機能をリリースしている。その皮切りとなるのが、日本語を学ぶ外国人と外国語を学ぶ日本人をつなぐ Tinder ライクなユーザ同士をつなぐ「HandShake」という機能だ。

日本人にはもくもくと自習で学習を進めていく人が多いが、(日本語を学ぶ)外国人は(日本人と)コミュニケーションをとりたがる人が多い。(ポリグロッツ代表取締役 山口隼也氏)

HandShake は、POLYGLOTS と MONDO の両アプリのユーザ間で、偶発的にユーザ双方が OK した場合にのみ相互接続が成立するが、アプリ内課金が発生する「Super HandShake」では、ユーザが相手ユーザに接続のリクエストを投げかけていることを知らせることができる仕掛けだ。

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POLYGLOTS の HandShake 機能

相手ユーザが言語を学習しているかどうかはプロフィールでわかるようになっているので、Tinder みたいにはならない。出会い系と違って、勉強していない人は落ちていく。

ユーザがどういう記事を熱心に読んでいるかのデータが取れているので、それをもとにつながりたいであろう相手をレコメンドするアルゴリズムも持っている。また、チャットボットの Cupid Bot が、互いのチャットのサポートもしてくれる。(山口氏)

年明け以降、ポリグロッツでは HandShake の機能を拡大させ、POLYGLOTS 上で英語教師とつながって学習できる有料機能を追加する予定。市中でのフェイス・トゥ・フェイスの学習機会提供も視野に入れ、スペイシーのようなオンデマンド型のスペース提供プロバイダとの提携も模索している。教師は、アプリ上で生徒となるユーザの学習履歴データを参照できるため、初見であっても効果的な学習機会を提供できるのがサービスの強み。将来的には、MONDO でも同様に、非日本語話者向けに日本語教師となるユーザを紹介するサービスを提供する計画だ。

今後、ポリグロッツでは中国進出も視野に入れている。これまでの投資家らのネットワークを活用し言語学習アプリの中国語版を開発、中国語を学びたい日本人、日本語や英語を学びたい中国人にもサービスを拡大していきたいとしている。

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