タイ、スタートアップ専用の証券取引所を開設へ——収益情報は不要

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ほとんどのスタートアップにとって、起業当初の数ヶ月は必要最低限の能力を兼ね備えた製品(MVP)や市場に見合った製品の構築に追われるだろう。

しかしタイのスタートアップに関しては、起業初日から株式公開できる選択肢がある。

何だって? そうだ、株式公開だ。

タイ証券取引所(SET)所長の Kesara Manchusree 氏に対する Nikkei Asian Review 誌の独占インタビューによると、タイではスタートアップに特化した新しい証券取引所を開設するとのことだ。

この新たな証券取引所は、タイにある2つの既存取引所(SET と mai)とは異なる。既存取引所では、第2、第3世代のオーナー企業が株式上場を希望するなどで上場企業数が増加する中で規制や各種基準が厳しくなっている。新たな証券取引所はまだ草案段階だが、2017年第3四半期には開設されるとみられている。

スタートアップはたとえ収益をあげていなくても、この新しい証券取引所に株式を公開できる。対象は株式のほか、債券やオプションなど株式以外の選択肢もある。しかし、投資ができるのは承認された投資家に限られるというが、その詳細はまだまとまっていないようだ。

当然のことながら、まだ公開されていないスタートアップの株価のボラティリティは高いだろう。投資家は当初2、3回の投資ができるかもしれないが、投資を回収できない恐れもある。配当は現金に限らず、会社の製品や他の形もあり得るだろう。場合によっては企業の役員にもなれるかもしれない。

今回のようにスタートアップにフォーカスした証券取引所以外にも、SET は、sSET という時価総額の少ない企業向けの新たなインデックスもローンチする予定だ。ここに上場する企業は、株式の流動性やフリーフロートに応じて精査される。2017年1月の開設時には約100社がこのインデックスに上場されるとみられる。

以上からすると、東南アジアでの起業を目指すスタートアップにとって、タイは賢明かつ魅力的な選択肢かもしれない。

【via e27】 @E27co

【原文】

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