2017年にアジアで最も注目を集めるテクノロジー分野は、引き続き自動運転車(Telenor Group調べ)

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ノルウェーを拠点に世界で事業を営む通信大手 Telenor Group は先週、2017年におけるスタートアップの主要トレンドと、アジアにおける起業家の課題や見解を調べるため、テクノロジー愛好家を対象に調査を行った。

この調査では、2017年にディスラプションが最も起きそうなセクターはロボティクスだと、約半数の調査対象者が回答した。2016年に最も革命的なテクノロジーとされた自動運転技術が、2017年(原文では2007年と誤記)も引き続き夢の技術であることが調査で明らかになった。

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この調査は、バングラデシュ、インド、マレーシア、ミャンマー、パキスタン、シンガポール、タイその他アジア諸国に住む年齢15〜55歳の215人を対象に、Facebook とLinkedIn 上で行われた。

対象者には、2017年におけるアジアのスタートアップ業界に対する見解と、2017年に最もディスラプトしそうな分野を質問・調査した。約半数の調査対象者が、2017年に最もディスラプトしそうな分野としてロボティクスを挙げた。2019年までに世界で260万台の工業用ロボットが配備され、 各業界における自動化の重要性が高まるとみられているなか、ロボティクスは確かに、2017年に企業が最優先で注力すべき分野かもしれない。

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大差はついたが、ロボティクスに続いたのは20%の人が回答した消費者向け銀行サービス、そして14%がヘルスケアサービス。12%が不動産、9%が航空サービスと回答した。

テクノロジー面では、2016年に回答率40%とトップで、自動運転車が今回もほぼ同率(37%)で2017年における最もディスラプティブなテクノロジートレンドとして選ばれた。8月にシンガポールで世界初の自動運転タクシーがローンチされるなど実績を積み重ねることで、自動車の完全自動運転に向けた競争をアジアがリードしていることもあり、2017年は自動運転車が新たなスタンダードになる年になるかもしれない。

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アジアのスタートアップシーン

回答者の関心や個性を把握する目的で、それぞれの回答パターンに基づき、2017年に設立を希望するスタートアップのタイプが割り出された。それによると対象者の38%は、2017年に IoT 関係のスタートアップを設立するとみられるという結果が得られた。これは、医療技術のスタートアップ(22%)、オンデマンド(14%)、エンタープライズ系(11%)、フィンテック(10%)以下を大きく引き離している。

IoT に関しては、2020年までに340億台ものデバイスが接続され、今後5年間で6兆米ドルもの金額が支出されるほどの潜在的な市場を抱えていることもあり、アジアの起業家らは、この分野からもたらされる可能性のある事業機会を十分承知しているようだ。

この調査では、2017年のスタートアップトレンドに関するインサイトのほかに、アジアの起業家が厳しいスタートアップ業界で成功するために何を実施すべきかも暗に示されている。対象者の約3分の1以上(36%)は、サイバーセキュリティとデータプライバシーが最優先と答えているほか、アジアのスタートアップが直面している最大の課題は顧客データを安全に確保しておくことだとしている。

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2017年、アジアで最もホットになるスタートアップ・トレンドは?

回答者の4人に1人は、マネジメントスキルと経験の不足も1つの障害となっており、成長していくには専門家による手助けが重要な要素になるとした。また、16%の人は、スタートアップ運営の妨げとなる公共政策の枠組みや環境による影響を受けているとしている。14%が事業拡大の各ステージで資金調達を欠かさないことが重要だとした。

10%未満の回答率だったが、アジアの他の市場への進出に関心を持っている人もいた。

この調査では、事業の成長や利益だけが起業の主要動機でないことも判明しており、29.3%の回答者は、他者を手助けすることに価値と目的意識を感じているとした。個人的な見解としては、35%の人が AR(拡張現実)や VR(仮想現実)に最も関心があると答え、僅差(33%)で人工知能がこれに続いた。

【via e27】 @E27co

【原文】

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