Baidu(百度)、知能を競う人気テレビ番組「The Brain(最強大脳)」で自社AI「Xiaodu(小度)」を披露

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Image credits: Baidu
Image credit: Baidu(百度)

Baidu(百度)は先週金曜日(1月6日)、知能を競う人気レギュラー番組「The Brain(最強大脳)」のシーズン4第1回にて、自社の人工知能(AI)を中国で最も優れた知能を持つ人と戦わせた。

シーズン1から3まではすべて中国対他国出身のビジターチームとの間で競われたのだが、満足いかない結末となったこともあった。しかし、昨年 Alipay(支付宝)の顔認証 AI の「Mark(螞可)」が、番組とは無関係の対決で Wang Yuheng(王昱珩)氏敗北した後、The Brain のプロデューサーは Baidu の「Xiaodu(小度)」を挑戦者として招聘すると決めていた。

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顔の表情をシミュレーションしたような可愛らしい姿で質問に答えられる Xiaodu は実際、Baidu の専用 AI のアバターである。面白いことに、Baidu チームは Xiaodu が対決する場をコンピュータが特に弱い分野、顔認証と音声認証に選んだ。ここでの働きが良ければ、この AI は商用的な利用に際しても頑健だと言えるだろう。

Google の DeepMind が AlphaGo でたどった道を Baidu は進まず、考える必要のないくらいシンプルなこと、つまり私たちが直観的にしていることに注力することにしたようだ。Baidu によると、化粧、整形、加齢などで顔に大きな変化があった場合でも、この AI はその人を認識できるという。

この数十年間、中国のテクノロジーセクターは、Baidu、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の(BAT)3社によって支配されていた。しかし、Tencent と Alibaba がソーシャル、e コマース、モバイル決済の分野を支配していくにつれて、Baidu は徐々に遅れを取るようになっていた。事実、Baidu は最近苦戦している。例えば、Uber と提携したものの結局は市場から撤退することになったり、同社の支出に関する論議に加えてその他にもここのところ悪評が立ったりしている。

しかし、Xiaodu は同社がまだこの競争を続けていることを証明するために必要なのかもしれない。Baidu の伝統的な強みであるコンピューティングとアナリティクスに注力することにより、私たちが当然と思ってしている単純な動作をこなせる人工知能が開発された。そして Xiaodu は、未来の AI 時代の到来に向けた可愛らしいアンバサダー的な存在であるかもしれないが、Baidu は今のところコンスーマ向けのアプリケーションには何ら力を入れていない。

同社の顔認証ソフトウェアは、セキュリティ用途として政府や企業に大半を販売する計画だという。例えば、顔認証と音声認証はともに生体認証セキュリティに活用できると関心が特に高まっている。認証手段として現在最も広く使用されているのは指紋だろう。しかし、指紋認証は高セキュリティのアクセス用としては非常に脆弱であることが徐々証明されつつある。他方、音声や顔による認証は、銀行、企業、政府にとって、その人を識別する上でより安全な方法となっている。

【via Technode】 @technodechina

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