East Venturesが5番目となる新ファンドを発表——東南アジアのアーリーステージ・スタートアップ向けに2,750万ドル規模

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Image credit: East Ventures

2017年のビジネスが本格化する中、シンガポールを拠点とする East Ventures は今日(原文掲載日:1月11日)、東南アジアのアーリーステージ・スタートアップを対象とした、5番目となる2,750万ドル規模のファンドを発表した。

シンガポールの政府系ファンド Temasek と Google の共著による報告書で、東南アジアのインターネット経済は2025年までに2,000億ドルに達すると予想されている。同報告書は、東南アジアが世界で最も急速に成長するインターネット市場であり、現在のインターネット人口2.6億人は、2020年までに4.8億人にまで増加する見込みであるとも伝えている。

East Ventures は、この成長に賭けようとしている。名前は開示されていないが、卓越したファミリーや起業家から調達した資金を使って、東南アジアで年平均20社以上のスタートアップに投資するとのことだ。

East Ventures には、東南アジアで80社の投資先スタートアップがいて、同社は最もアクティブな投資家の一つとなっている。同社が運用する資産規模は、運用開始当初から既に10倍に達しているとのことだ。

発表の中で、East Ventures は次のように予想している。

今年は、投資先のスタートアップが関与する M&A がさらに増えると確信している。しかし、シリーズB投資において、スタートアップはあまり活発な動きを期待できないかもしれない。

早期からインドネシア市場に賭け

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Image credit: East Ventures

East Ventures のパートナーである Willson Cuaca 氏、衛藤バタラ氏、松山太河氏は、(これまでと)同じ主張に沿って出資を続けることになるだろう。同社はたいてい、ある市場で拡大傾向にある業態を見極め、その分野で将来のリーダーになりそうな人々を支援する。このような起業家はプロトタイピング・ステージにいるか、初期のトラクションを得られるだけのプロダクトを持っているかのどちらかだ。その分野で明確な勝者が決まると、同社はそのバリューチェーンの中で他の部分へと移動する。

Tech in Asia 以外にも、East Ventures は Eコマース大手の Tokopedia、フライト検索エンジンの Traveloka、O2O スタートアップの Kudo、キャッシュバックサービスの Shopback、オンライン決済ソリューションの Omise などに早期の段階で出資してきた。

これらのスタートアップの多くは、East Ventures がフォーカスを置いてきたインドネシアを拠点としている。East Ventures は先ごろジャカルタに EV Hive というコワーキング・スペースを2つ開設し運営を始めた。EV Hive は毎年100以上のパブリックなテックイベントを開催しており、聴衆は3,000人以上、さまざまな業界、スタートアップ、大企業からスピーカーが参加している。

同社は、次のようにも記している。

East Ventures のネットワークにより、インドネシアから東南アジアに参入しようとする企業、また、東南アジアからインドネシアに参入しようとする企業の双方を支援することができる。

East Ventures の投資先からはこれまでに、インドネシアの共同購入サイト Disdus(現在は Groupon Indonesia)、価格比較サイト PriceArea、ファッションEストアの Shopdeca など、7つのスタートアップがイグジットしている。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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