Baidu(百度)、Amazon EchoとGoogle Homeに対抗すべく対話型インターフェイスを持つロボット「Little Fish(小魚在家)」をローンチ

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Image Credit: Ainemo(小魚児)

昨年、世界最大級のテクノロジー企業 Amazon と Google はそれぞれ、一般家庭向けに会話 AI アシスタントの積極的な売り込みを行った。これが予想以上にヒットした。Amazon Echo は2015年のローンチ以降、現在までに500万台以上が売れ、Google の方は具体的な数字を公表していないが、会話ユーザインタフェース分析企業 VoiceLabs によると、Google Home のユーザ数は昨年のクリスマス期間中で4倍まで伸びたとのことだ。

明らかに需要は高まっており、その理由もわかりやすい。これらの AI アシスタントはコンパクトな上に生活に役立つ機能が満載なのだ。声で指示を出すだけで、Uber を頼んだり、オーディオブックを再生したり、また天気のチェックやネットショッピングなどができる。

したがって、アジアのテクノロジー系巨大コングロマリットがうまいこと市場に入り込んでくるのも時間の問題だといえる。今月初め、中国のスタートアップでスマートロボットを専門に扱っている A.I Nemo(Ainemo=小魚児)がウェブサービス大手企業の Baidu(百度)とタッグを組み、Amazon Echo と Google Home に対抗するとされる製品の開発に乗り出した。

家庭用音声制御ロボット「Little Fish(小魚在家)」には Baidu の新型 AI アシスタント「DuerOS」が搭載されている。外国語の翻訳や株価のチェック、位置情報の検索も可能で、ニュースを見ることもできる。だがこれだけではなく、ライバルには真似できない特筆すべき機能が備わっている。

Amazon Echo や Google Home とは異なり、Little Fish には8インチで解像度1280×800の IPS 液晶スクリーンと1080p のウェブカメラが備わっている。つまり、ユーザは映像をストリーミング配信したり、ビデオチャットしたりできるのだ。その上、Little Fish を使って電話をかけたり、映画のチケットやホテルの予約したり、電話料金の支払いなんかもできる。

このAI「DuerOS」には機械学習が応用されていて、時間の経過とともにユーザについて学習していく仕組みになっている。興味のある人は無料のアプリをダウンロードすることができ、それを使って Little Fish とのコミュニケーションがどんなものか試すことができる。

Little Fish には4つのバージョンがある。基本バージョンは1,699人民元(250米ドル)で販売されており、1GB のクラウドストレージと、さらに10GB の追加ストレージ(1年間だけ)が付いてくる。1つ上のバージョンは320米ドルするが、5,000 mAh のバッテリーパックが付属されており、これを使えばリモコンでスクリーンを動かすことが可能になる。

どちらのバージョンにも年間で100分のトーク時間が設けられており、それ以上は1分追加ごとに0.20人民元(0.03米ドル)の料金が発生する。

Ainemo の設立者で CEO を務める Chenfeng Song(宋晨楓)氏は公式プレスリリースで次のように目標を語った。

ファミリーロボットは一家に一台所有されるような次の大きなカテゴリーになると考えています。目標は、便利で信頼できる存在として、人々の生活の困難を取り除くことです。

家族、特に子どもやお年寄りがいるような家族は、ロボットと話すだけで家族のみんなと繋がりを持ち、彼らの日々の生活を見守ることができます。Little Fish は究極の AI バーチャルアシスタントで、これまでにない操作性とコミュニケーションをユーザに提供します。

Little Fish は中国市場向けなので、「Xiaoyu(小魚)」という呼びかけに反応するように設定されている。英語版がリリースされるのか、そしてそれがいつになるのかはまだ明らかになっていない。ともあれ、中国語の勉強には打ってつけかもしれない。

【via e27】 @E27co

【原文】

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