CES 2017のゆくえを大胆予測——今年の目玉は、Internet of Stupid Things(ネットにつながるくだらないもの)?

by Dean Takahashi Dean Takahashi on 2017.1.3

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CC BY-ND 2.0: via Flickr by Jon Fingas

筆者は2016年の多くを、ゲームの取材に費やした。しかし今週は、その視野をゲームからテック産業全体に広げることになるだろう。

筆者はラスベガスで開催される、大規模テックトレードショー CES 2017 に参加するつもりだ。これまで何度参加したか忘れてしまったが、次に何が来るかを理解する上で、このイベントに参加することは今でも重要だと感じている。VentureBeat からは、Ken Yeung と John Brandon と共に参加し、その記事は早ければ今日にも掲載されるだろう。筆者は、CES 2017 の期間中に披露されるであろう内容をすでに多く読んでいるので、このプレビューでいくつかその洞察を披露することにした。

このテックトレードショーは全米最大で、昨年は240万平方フィート以上(編注:22.3万平方メートル=東京ドーム約5個分)の会場に3,000社以上が出展、それを見に17.7万人以上が来場した。毎年 CES を開催している Consumer Technology Association(コンシューマ技術協会)は今年、出展社3,800社、一般参加16.5万人、メディアからは6,500人が来場すると予測している。今年の会場面積は、これまでで最大の250万平方フィート(編注:23.3万平方メートル)となる見込みだ。

大企業は言いたがらないだろうが、筆者は大きなトレンドの一つが、Internet of Stupid Things(インターネットにつながる、くだらないもの)になるだろうと考えている。

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サムスンの IoT は昨年、200のネット接続されたオブジェクトを出展した。
Image Credit: Dean Takahashi

ご存知のように、IoT は毎日使うオブジェクトをスマートでネット接続された状態にしたものだが、この数年で盛り上がってきている。スマートドローン、スマートロボット、スマートバスケットボール、スマートペットエサやり機、犬用のスマート首輪、スマートウォッチ、スマート煙警報機、スマートホームセキュリティカメラ、スマート冷蔵庫など、Internet of Obvious Things(インターネットにつながりそうな明らかなもの)はすでにある。我々はさらに多くのネット接続されたものを見出すことになるだろう。

すでに目にしたもの以外を探求する観点で、テック企業は今年、〝Stupid Things(くだらないもの)〟へと向かっている。彼は、ネット接続しているデバイスが本当に接続されているべきだと考えていない。それは、スマートゴミ箱、スマートワインバー、スマート床、スマート花ポットなどだ。

ソフトバンクの CEO である孫正義氏は、1兆以上の IoT デバイスに囲まれた将来が来るだろうと期待している。ということは、我々はその時代が始まったばかりのところにいるとも言えるだろう。

筆者にとっては、スマートになることでくだらないのは、たいてい99ドル以上するプライスタグだ。プライスタグはセキュリティが欠如していて、我々の家をサイバーアタックから脆弱なものにしてしまう。家の中で、特定のガスを検知するために200ドルも払うだろうか? このようなデバイスは、ネット接続されていない従来のものより、少しばかり価値が高まっているにすぎない。ペットフィーダーはって? 25ドルだ。

Internet of Stupid Things については冗談だが、しかし、今や、我々はすべてのものがセンサーを備えようとする時代へ向かっている。そのビッグデータは絶大なる価値を生み出し、同時にプライバシーには絶大な驚異となり得る。しかし、IoT のほんの少しの部分にのみ対策を施そうとし、それに資金を投入しようとする企業はあまりに多い。全体的に統合されたシステムが価値を持ち、部分々々の単体技術での販売は困難になっている。

Stupid Things は、最終的には人工知能を通じて本当にスマートなものに取って代わるだろう。アクセンチュアで、通信・メディア・テック分野のマネージングディレクターを務める John Curran 氏はインタビューの中で、テクノロジーの中のスマートな部分は、最終的に現実のものになるだろうと述べていた。音声認識や画像認識を伴い人工知能による機能改善をふまえ、企業はこれまでのプロダクトに、本当に使いものになる人工知能を追加して再投入できるようになっている。

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AImotive のソフトウェアは、運転が安全なグリーンのエリアと、車の部分(オレンジ)を認識できる。歩行者は赤で表示される。
Image Credit: Dean Takahashi

それは、自動運転車、ロボティックス、スマートフォン、健康やフィットネスなどのすべて、CES で目にするであろう技術の多くで編み出される「金の糸」だ。

私はそれがイベントでどのように表現され、どのようにイベントに浸透しているかを見るのが楽しみだ。技術は進化した。今あるものをビッグデータ、アナリティクス、機械学習、自然言語処理、ユビキタス接続の融合体として見れば、これらはすべてつながった。デバイスメーカーや、 彼らが開発したデバイス上で動く、AI を駆使してさらに使いやすく、直感的かつ自然なカスタマーインターフェイスを兼ね備えたサービスを開発する企業にとって、これは商機だ。(John Curran 氏)

基調講演では、AI 分野への集中が見られるだろう。Nvidia の CEO である Jen-Hsun Huang 氏が CES 2017 で最初の基調講演を務め、彼は同社がグラフィックチップメーカーから人工知能の会社にどうやって転換を図ったかを話すことになるだろう。自動運転車、Amazon Echo や Alexa のようなホーム制御システム、エクササイズを勧める健康フィットネスデバイスなど、かつて使い物にならなかったスマートデバイスにも徐々に進化が見られるだろう。Curran 氏は、スマート企業が新しいデバイスを使ってサービスを提供するようになるだろうと予測している。

フロアスペースには、多くのドローン、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、ロボット、スマートカー、健康やウェルネス、ウエアラブル、3D プリンティングが見られるだろう。大手チップメーカーからの新しいプロセッサの紹介とあわせ、スマートフォンもいくつかお目見えするだろう。しかし、スマートフォンの紹介の多くは、春にバルセロナで開催される Mobile World Congress で行われることが多い。

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Samsung の2016年の記者会見
Image Credit: Dean Takahashi

Apple は CES に参加しない。しかし、その最大のライバルであるサムスン電子は、水曜日の午後2時に記者会見を開く予定だ。サムスンは、エレクトロニクスの主要なカテゴリすべてで活躍しており、ハイビジョンテレビの4倍の画素数を持つ、廉価版 4K テレビの普及に向けた、大きな発表を期待できるだろう。筆者は、値は張るが多くの 8K テレビと、それらが家の中のデバイスすべてとつながる方法が見られるのを期待している。サムスンは、存在するほぼすべての技術カテゴリでプロダクトに言及することになるだろう。

CES 2017 は、1月5日から8日までラスベガスで開催される。プレス向けの特別イベントの披露は、1月3日と4日に予定されている。

CES には参加しない企業もいる。2016年に大きなプロダクトをローンチした Facebook Oculus は参加しないし、ドローンメーカーの Parrot は今回、ビジネスミーティングだけを行うとしている。

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CES 2015で紹介された、パナソニックのインタラクティブミラー
Image Credit: Dean Takahashi

筆者は、これまでに披露された良いアイデアを引っさげ、それらをより改善された、価格の安い、実用なプロダクトに仕上げて戻って来ることを期待している。パナソニックのインタラクティブミラーはより安くなってほしいが(たぶん99ドル、でも安いまがい物が欲しいというわけではない)、彼らの機能リストに自動運転を加えるなら、それが実用的なものに進化するまでにまだしばらく時間がかかりそうだ。「テック信奉者にとってのポルノ」の領域から、メインストリームの消費者に手の届く価値ある存在へと進化を遂げたデバイスにも出会えるだろう。

VR においては、2015年に披露されたプロダクトは部分的にしか満足のいくものではなく、果てしなく高価だったが、今回はいくらかの進展が見られるだろう。AR スマートグラスはより安価で手の届きやすいものになりつつあるが、2018年までは、本当にクールで安価なものは出てこないだろうと筆者は考えている。2年毎にチップ上に搭載可能になるトランジスターの数が2倍になっていくという「ムーアの法則」は、これらのデバイスがより安価かつよいものにする技術進歩を生み出している。しかし、奇跡は起きない。すべてはエンジニアの努力に委ねられている。

数日中に、CES 2017 の取材を読んでいただけるのを楽しみにしてほしい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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