〈中国の新ECトレンド:Weishang(微商)〉1,000人超のネットセレブを集め、毎月数億円を稼ぎ出す化粧品販売会社Pearlosophy(真珠美学)

TechNode by TechNode on 2017.1.2

Image Credit: Pearlosophy(真珠美学)

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今回の投稿は「中国の新ECトレンド:Weishang(微商)」の第2弾だ。前回は、これまで L’Oreal、Amore Pacific、資生堂などの海外企業が支配してきた化粧品業界において、Weishang がどのように影響力を強めてきたのかを説明した。今回は、その販売力を活用してブランド力を生み出している上海の Weishang 企業を取り上げる。

Pearlosophy は上海に拠点を置く Weishang(微商)企業で、化粧品を扱っている。中国の美容業界は驚くべき急成長を遂げつつあり、Pearlosophy(真珠美学)はそこから利益を得たいと考えている。オフィスで働くスタッフは10名ほどしかいないが、その売上は毎月数千万人民元(日本円で数億円台後半)にも上る。同社は千人以上のネットセレブ(網紅:ワンホン)からなるネットワークを有しており、ワンホンたちは卸売り業者のような役割を担い、その売上の一部から報酬を得ている。こうしたワンホンの大半は90後(1990年代生まれの中国国民)で、中には30万人ものフォロワーを抱えている者もいる。

Pearlosophy は販売力を確実に維持するために、オフラインでのイベントやセミナーも企画している。

From left to right: Top seller posting her 310,000 RMB (44,600 USD) bonus on WeChat; top 88 wanghong group chat; wanghong group chat

(左)31万人民元(44,600米ドル)のボーナスを得たトップセラーによる WeChat への投稿、(中)トップ88・ワンホン・グループチャット、(右)ワンホン・グループチャット
Image Credit: Pearlosophy(真珠美学)

CEO を務める Peggy Sun(婷姐)氏(32歳)によると、トップのネットセレブともなると、化粧品の売上は月に60万人民元(8万6,000米ドル)にもなるそうだ。売上トップ88人から一般の販売者に至るまで、Peggy 氏は WeChat(微信)を通じて連絡をとっている。

Peggy Sun, CEO of Pearlosophy

Peggy Sun(婷姐)氏
Image Credit: Pearlosophy(真珠美学)

Peggy 氏には、中国国内において実店舗型の化粧品販売店を10年間経営していた経験がある。そこでは Sephora 製品などの国際ブランドを扱っていた。しかし、ビジネスの成長スピードは彼女を満足させるものではなかった。Weishang の出現とともに、2015年11月、彼女は自身でビジネスを始めた。成功のカギはブランディングだと彼女は言う。

他の Weishang 企業にはブランド力がありません。Weishang 企業の大半は3~6ヶ月程度しか続かず、1年続くのはごく少数で、あとは消えていきます。私たちが事業を開始して1年になりますが、今も順調に成長を続けています。他の企業だと、非常に早い段階で、成長に大きなバラつきができてしまいます。

中国市場における国際的な化粧品ブランドに対する需要は非常に大きい。中国の化粧品市場では、いまだに外資系企業が支配的な地位を占めていると言ってよく、小売総売上高の約86%を占めている。しかし、化粧品のネット販売において優位に立っているのは Weishang 企業だ。

Weishang 企業が中国市場における化粧品のネット販売の50%を占めています。地方の小中規模都市に住む人々が、国際ブランドに触れる機会はほとんどありません。彼らのような消費者にとってみれば、そんなもの知りませんし、聞いたこともありません。彼らは友だちが WeChat にアップするコメントを信用し、友だちからオススメ情報を入手します。もしくは、従来型の広告チャネルを通じて商品を知ります。

市場での競争力を維持するために Pearlosophy が採用する戦略のひとつは、一流の商品で信頼を築くことだ。同社は韓国、フランス、オーストラリアの OEM から化粧品を仕入れることで、製品の安全性や品質の高さを確保している。2014年には、WeChat 上で Weishang を利用して販売された美容商品のうち80%はフェイシャルケアマスクだった。それは Pearlosophy に関しても同様だ。同社は同じようなマスクの販売を開始した。現在では、同社の製品の50%がスキンケア関連で、いまだに売れ行き好調なフェイスマスクに続き、ベストセラーとなっている。

現在ひとつのトレンドとして、中国の女性たちは化粧をするようになってきました。あと1~2年すれば市場は非常に良好な状態になると思われます。Weishang 企業はこのトレンドから多くの利益を得るでしょう。メイクアップ商品について、ユーザはその使い方を学ぶ必要があります。メイクアップ市場はあと数年でピークを迎えることが予想されます。だから私たちはメイクアップ商品に注力し始めたのです。

しかし、Peggy 氏も、WeChat がビジネスを優位に導く究極のプラットフォームであるか、については確信に至っていないようだ。

3年前には WeChat がここまでになるとは誰も思っていませんでした。ほんの2~3年まで、WeChat 上で公式アカウントを利用することはあまりありませんでした。しかし今では誰もがこのトレンドに乗っています。数年後に何が最善のプラットフォームになっているのか私たちには予想することはできません。

【via Technode】 @technodechina

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