ベンチャー創造協議会、経済産業省、東京ニュービジネス協議会(Connect!)、日本ニュービジネス協議会連合会は20日、一昨年と昨年に引き続き、3回目となる日本ベンチャー大賞の表彰式を開催し、会場には、経済産業大臣の世耕弘成氏のほか、大賞に選ばれたベンチャーやスタートアップ各社の経営者7人らが招かれた。
表彰式の冒頭、主催者を代表し、世耕氏が次のように挨拶した(一部要約)。
自分が(国会議員に)初当選したのは19年前だった。国会議員になって初めてもらったポストがベンチャー育成小委員会の事務局長というポストで、その頃には、〝ベンチャーキャピタルのベンチャー〟だった堀さん(グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの堀義人氏、審査員の一人として授賞式に同席)にも来てもらって、よく党で議論したりした。
あれから19年経つが、残念ながら日本の開業率は当時とあまり変わらない。その現状に危機感を持った安倍総理が、欧米並みの開業率に追いつこうと始めたのが日本ベンチャー大賞で、今回はその3回目だ。(中略)
いろんなベンチャーで成功されている方、アメリカで大きなベンチャーを立ち上げた方々から話を聞くと、やはり、世のため人のため、自分の起業によって社会を変えるという信念がないと、本当の意味でのベンチャーの成功は無い。今日受賞した方々は、長年にわたってそのような信念を持ってこられた方々だ。皆さんの後を追いかける人が多く出て来てほしい。
受賞したのは次の各社だ。
内閣大臣賞(日本ベンチャー大賞): CYBERDINE
CYBERDYNE は、サイバニクス(人・ロボット・情報系の融合複合領域)を駆使することで、医療・福祉・介護分野、生産現場、災害レスキュー、エンターテイメントで活用されるロボットを開発。CYBERDINE は、日本ベンチャー大賞第1回における「経済産業大臣賞(ベンチャー企業・大企業等連携賞)」も受賞している。
経済産業大臣賞(ベンチャー企業・大企業等連携賞): Preferred Networks × ファナック
Preferred Networks は IoT と人工知能を融合し、自律分散的に高度な分析処理を行う「エッジへビーコンピューティング」を提唱。デバイス同士がリアルタイムで強調し、高度な判断を実現できるしくみづくりを目指している。
Preferred Networks の深層機械学習技術は、ファナックによる製造現場での使用を目的とした IoT(Internet of Things)のためのプラットフォーム「FIELD system」に投入され利用されている。
経済産業大臣賞(女性起業家賞): ナノエッグ
ナノエッグは、聖マリアンナ医科大学から生まれた基礎技術のスピンオフ・スタートアップで、皮膚研究の革新により、「ナノカプセル化ドラックデリバリーシステム(DDS)技術」「浸透 DDS 技術」を使って、あらゆる薬を皮膚から浸透することを可能にし、世界中から注射針をなくすことを目指している。
農業水産大臣賞(農業ベンチャー賞): アーマリン近大
アーマリン近大は、近畿大学が長年にわたり研究してきた魚類養殖のための最先端技術を研究・実運用する企業だ。水産資源の枯渇が危惧される中、特にマグロ養殖の分野では特に名を馳せており、東京や大阪には、養殖されたマグロが味わえる飲食店「近畿大学水産研究所」を展開し、養殖魚に対するマイナスイメージを払拭するのに一役買っている。
審査委員会特別賞(技術革新賞): セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズは、世界初の全自動衣類折りたたみ機「laundroid(ラウンドロイド)」を開発。試作機はカンファレンスなどでデモンストレーションされてきたが、まもなく商用機の出荷が開始されるとのこと。また、最近ではいびきを防止する鼻チューブ「ナステント」なども開発している。
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審査委員会特別賞(人材サービス革新賞): ビズリーチ
ビズリーチは、人材活用(採用・育成・配置・評価)の最適化を人工知能が支援する戦略人事クラウドサーイス「HRMOS(ハーモス)」を展開。HRTech により即戦力人材を企業に提供することで、日本全体の企業生産性や経済競争力の向上に寄与することを目指している。
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